「健康経営銘柄2019」全37社の平均年収を調べてみた|ホワイトなうえに高年収な魅力的な企業たち

皆さんは健康経営銘柄というものをご存知でしょうか。社員の健康管理に対し経営的な視点で戦略的に取り組む企業を経済産業省が毎年認定するというものです。簡単に言うと、ホワイト企業代表銘柄、ということです。今日は2019年の健康経営銘柄の年収などについて調べてみました。

健康経営銘柄の認定制度は2015年からはじまり、2019年の今年で5回目となります。

今日はこの37社の平均年収などを調べてみましたので、大企業に就職したいけどブラック企業は絶対にイヤ、という就活生などは就職活動の参考にしてみてください。

健康経営銘柄とは


経済産業省は専門家チームとともに「健康経営優良法人認定制度」なるものを進めています。

大企業、中小企業で分類し、それぞれから健康経営に積極的な企業を認定しています。

一番耳馴染みのあるもので「ホワイト500」がありますね。

経済産業省のHPから健康経営優良法人制度の全体像を引用します。

今日調査した銘柄は、上の図の青枠に該当する企業群です。

ホワイト500のさらに上、まさにホワイトオブホワイトに認定された会社ということです。

銘柄の選定にあたっては、東京証券取引所も協力しており、投資家にとって魅力ある企業であることも条件となっています。

これを公表することにより、企業の健康経営への取組みが促進されることが狙いです。

近年は求人倍率も高く、優秀な学生の確保が課題となっている企業側としても、学生に魅力的に映るこのステータスは是非とも欲しいはずです。

実際各企業こぞってこの認定を受けようとしており、申請件数は年々倍増しているそうです。

認定の基準

詳しくは経産省のHPを確認いただければと思いますが、以下の要件を満足しているのが認定の条件とのことです。

1.「健康経営度調査」の総合評価の順位が上位20%以内であること

2.「ROE(自己資本利益率)」の直近3年間平均が0%以上であること 等

1.の健康経営度調査とは、企業のワークライフバランスやストレスチェック、女性の活躍できる環境作りなどへの取組みへの調査です。

ホワイト500の条件が上位50%ですので、さらに厳しい基準をクリアしていなければなりません。働き方改革の影響もあり、この調査結果がかなり重視されています。

2.のROEが3年間0%というのは、簡単に言うと、赤字じゃない企業ということです。黒字でも債務超過などに陥っていればROEがマイナスになるので、こういう企業は除外されます。

ただ、0%以上というのは投資家目線で言えば、かなり緩い基準ですね。やはり健康経営の方が重視されているのでしょう。

冒頭のとおり今年は28業種から37の企業が選定されました。

健康経営銘柄2019の従業員数や平均給与

さて本題の健康経営銘柄に選定された企業とその年収を見ていきましょう。

いかにホワイト企業が良いといってもやっぱり給料も大事ですからね。

ついでに従業員数と従業員の平均年齢も併記します。これらはyahoo!ファイナンスで調査したもので、非公開の企業については空欄としています。

33業種分類
証券コード
企業名
従業員数
平均給与
平均年齢
水産・農林業
1332
日本水産
1,203人
8,020千円
42.5歳
建設業
1820
西松建設
2,606人
8,360千円
44.4歳
食料品
2802
味の素
3,494人
9,820千円
43.6歳
繊維製品
3591
ワコールホールディングス 5,201人
-千円
42.2歳
パルプ・紙
3880
大王製紙
2,651人
-千円
41.2歳
化学
4452
花王
7,682人
8,210千円
40.8歳
医薬品
4507
塩野義製薬
3,596人
9,040千円
41.7歳
石油・石炭製品
5020
JXTGホールディングス 110人
12,050千円
43.2歳
ゴム製品
5195
バンドー化学
1,283人
6,810千円
42.6歳
ガラス・土石製品
5332
TOTO
8,034人
6,780千円
42.9歳
鉄鋼
5411
JFEホールディングス 41人
10,900千円
44.2歳
非鉄金属
5801
古河電気工業
3,816人
7,350千円
44.2歳
機械
6146
ディスコ
2,535人
9,910千円
38.4歳
電気機器
4902
コニカミノルタ
5,207人
-千円
‐歳
6448
ブラザー工業
3,865人
7,700千円
42.4歳
6645
オムロン
4,741人
8,220千円
44.2歳
6856
堀場製作所
1,622人
6,960千円
40.2歳
7751
キヤノン
-人
7,780千円
43.8歳
輸送用機器
6902
デンソー
45,304人
8,160千円
43.3歳
精密機器
4543
テルモ
4,908人
-千円
41.5歳
その他製品
7936
アシックス
895人
7,010千円
39.3歳
電気・ガス業
9502
中部電力
16,086人
7,700千円
42.8歳
陸運業
9005
東京急行電鉄
4,666人
7,370千円
40.7歳
情報・通信業
4689
ヤフー
6,515人
7,650千円
35.7歳
9687
KSK
1,418人
5,030千円
35.3歳
9719
SCSK
7,280人
7,250千円
43.4歳
卸売業
8060
キヤノンマーケティングジャパン 5,314人
8,300千円
47.8歳
小売業
8252
丸井グループ
322人
6,410千円
39.9歳
銀行業
8379
広島銀行
3,164人
6,570千円
39.7歳
8411
みずほフィナンシャルグループ -人
-千円
‐歳
証券、商品先物取引業
8601
大和証券グループ本社
646人
-千円
41.8歳
保険業
8630
SOMPOホールディングス 579人
11,520千円
43.4歳
8725
MS&ADインシュアランスグループホールディングス 399人
10,530千円
47.5歳
8766
東京海上ホールディングス 17,203人
-千円
41.8歳
その他金融業
8566
リコーリース
845人
6,790千円
41.2歳
不動産業
8860
フジ住宅
669人
5,540千円
39.7歳
サービス業
2432
ディー・エヌ・エー
1,502人
-千円
‐歳

健康経営銘柄37社の特徴

やはり誰もが知ってる大企業で、平均年収も高いです。

就活生の憧れの企業群といってよいでしょう。

上の表を整理して気になった内容などをいくつか補足します。

33業種中5業種が入ってない

選定基準に原則1業種1社とありますが、33業種のうち、28業種しか入っていません。

入っていないのは、「鉱業」「金属製品」「海運業」「空運業」「倉庫・運輸関連」の5業種です。

たしかに鉱業と金属製品はかなり業績が厳しい情勢ですからエントリーされなかったのでしょう。

海運業と空運業はそもそも会社が少ないですし、JALとANAどっちか選ぶというのは、いろんな力が働きそうで難しかったのかな、と思います。

一方で、電気機器や情報通信からは複数の企業が選定されています。とくにyahoo!は働き方も自由というか裁量が大きそうなイメージがありますね。

従業員数は多く、平均年齢は高め

大企業なのでやはりこういう傾向がでましたね。

ほとんどの会社の従業員数が1,000人以上で、平均年齢は40歳オーバーです。

多分アメリカで同じような調査をしたら全く違う結果がでるでしょう。

この中ではyahoo!とKSKの社員平均年齢が若いです。

情報・通信業、すなわちIT系企業が伸びてきているということが分かります。

知らない会社をちょっと調べてみた


ほとんど有名な大企業ですが、失礼ながら僕が知らない企業が少しあったので気になってどんな会社か調べてみました。

就活生の皆さん、もしかするとこれらの企業は狙い目かもしれませんよ。

バンドー化学(5195)

Vベルトの国産メーカーで、自動車用に高いシェアを誇っています。

出典:Wikipedia

海外展開も積極的で、技術を売りにした会社ですね。

ディスコ(6146)

半導体、電子部品向け切断、研削、研磨装置で世界首位だそうです。

半導体産業は浮き沈みが激しい業界ですが、それでも今後も需要の拡大が予想されていますので、こういう分野で世界首位というのは将来有望だと思います。

KSK(9687)

今回調査した中で唯一のJASDAQ上場企業です(他は東証1部)。

独立系のソフトウェア企業でネットワークに強みがあり、NECとの取引きが多いようです。

この会社は1990年上場と比較的若い会社です。勢いがある会社、と思われます。

SCSK(9719)

こちらも同じくソフトウェア企業でITサービス大手です。

住商情報システムがCSKを吸収してできた会社のようです。

AIの開発などに力を入れており、やはりIT系は時代の最先端という感じです。

ソフトウェア系のエンジニアは希少性が高いので、高収益な企業で魅力的な企業が多い印象があります。

まとめ

今日は健康経営銘柄の平均年収などを調べてまとめてみた内容をお伝えしました。

いずれも大企業で年収も高い魅力的な企業です。さらにホワイト認定ですからうらやましい限りです。

特にやりたいことは決まってないけど、なんとなく大企業に入社したい、でもブラック企業は絶対にイヤという就活生の方は、こういう会社の選び方もありだと思います。

もちろん面接でホワイトで楽そうだから志望しました!なんて言ったら不採用確定なので、従業員のことを大切にする会社はきっと社会貢献にも積極的だと考えました、などと表現は選びましょうね。

今日あげた37の会社はいずれも大企業で人気が高く、倍率も高いでしょうから、ホワイト500や健康経営優良法人を調べてみられるのも良いでしょう。

僕はたまに株も買ったりするので、これら健康経営関連銘柄を後で企業分析してみようと思います。