JACリクルート(2124)は転職関連銘柄で株価も好調|働き方改革による後押しに期待

 JACリクルートは人材関連事業の中でも特に専門的なスキルを持った人材や管理職、経営層といったエグゼクティブに特化した転職を支援する会社です。株価も右肩上がりで、僕は同社を働き方改革の恩恵を受ける銘柄のひとつとして注目しています。

 働き方改革銘柄といえばなんとなく人材派遣関係を思い浮かべる方も多いのではないかと思います。その中でも僕は転職業界に注目していて、同社の株を1年ほど保有していました。

 保有銘柄の損切りと利益確定のバランス調整のため一度売却したのですが、再度購入しようかと考えており、改めて市場環境や同社の業績等を含め検討しましたのでその内容をお伝えします。

 最初に結論を書きますが、僕はこの銘柄に関しては今回は投資見送り、とします。

JAC Recruitmentとは


 人材関連事業の大きなくくりとして派遣と転職がありますが、同社の特徴として冒頭のとおり、今現在第一線で活躍している高収入な方々の転職に特化したサービスを展開しています。

 人材系大手のリクルートやパーソル(元テンプスタッフ)などの大手と比べると売上高は少ないですが、サービスの差別化により確固とした地位を築いています。

転職市場の市場環境

 まずは転職市場の市場環境を分析します。こういう分析には官公庁の資料が一番役に立ちます。総務省統計局の調査結果を分かりやすく抜粋したのが下の表です。

転職者数:男 女 計
年度 総数(万人) 〜24歳 〜34歳 〜44歳 〜54歳 〜64歳 65以上
2012 286 52 81 65 40 38 10
2013 287 52 77 65 40 41 11
2014 291 55 76 67 41 40 12
2015 299 54 80 65 45 41 14
2016 307 58 77 60 51 43 17
2017 311 57 79 67 50 42 15
出展:「労働力調査結果」(総務省統計局)

転職市場自体は横ばい

 1年間の転職者数は約300万人で、ほぼ横ばい傾向が続いていることが分かります。

 直感的にはもっと増加傾向にあると思っていましたが、市場としては年1%くらいの伸びということでした。また、同社のターゲットはエグゼクティブということで、現在の年収700万円以上と仮定すると、全体の上位10%くらいとなりますので、約30万人、これくらいは市場があると見ることができます。

 JACリクルートのメインの客層であるホワイトカラーの割合など考慮すると実際はずれるでしょうが、まずは概観として捉えるにはこれくらいでよいでしょう。

働き方改革による後押しに期待

 2018年現在、働き方改革のプレッシャーが企業経営に大きな影響を与えています。これは僕自身も感じています。
 このストレスを一番感じているのが僕の少し上の世代、いわゆる中間管理職の人達です。

 慢性的な人手不足の中にありながら、絶対的な残業規制方針などを打ち出す企業も多く労働力は減少する一方で、経営層からは以前と同様かそれ以上の成果を求められる。はっきり言ってこれは無理ゲーです。

 そんな理不尽な摩擦に疲弊した人達が転職を考えるケースは容易に想像が付きます。この層はまさにJACリクルートのターゲット層と合致します。働き方改革は同社の後押しになると考えます。

JACリクルートの業績

 大まかに市場状況を掴んだところで、ここからはJACリクルートの業績などを見ていきます。

利益率の高いビジネスモデル

 JACリクルートはエグゼクティブに特化した転職を対象としていますので、1件成立あたりの単価が高いです。

 JACリクルートを経由して転職した人の数は同社のIR資料より2017年は6,788人(下表から計算)とのことです。

 2017年の同社の売上げは16,044百万円ですので転職の成約一件あたり約240万程度と計算できます。
 
 ケースバイケースでしょうが、一般に転職の報酬は年収の20〜30%が相場と言われていますので、1千万クラスの人材ということですね。エグゼクティブに特化した同社の収益性が高い理由に納得です。

 一方で、コンサルタント数は2017年12月時点で645人とのことですので、社員一人あたり毎月1人くらいの転職を成功させていることになります。

 厳密には合ってないでしょうが、ビジネスモデルの概観としてはこんな感じでしょう。

 ここまでで分かったこととして、前半で分析した転職者数の市場規模と同社の実績から考えると、転職市場における同社のプレゼンスが高まることで、まだまだ成長が期待できる、ということです。

JACリクルートの業績の推移

 順調に成長し続けています。マネックスの企業情報からの引用ですが、売上げ、利益ともに安定して拡大しています。

ファンダメンタルズ、テクニカル指標

 次に同社のファンタメンタルずについてこちらも同じくマネックスから得たデータを加工しています。

2017実績 2018予想
売上高(百万) 16,044 22,757
(同 前期比) 15.94% 41.84%
経常利益(百万) 5,322 5,511
(同 前期比) 12.52% 3.55%
1株当たり純利益 91.09 95.53
PER 24.48倍 24.45倍
ROE 34.90%
自己資本比率 78.20%

 ROEは34.9%と非常に収益性の高い会社であるとともに自己資本比率が高い健全経営であることが分かります。

 一方でPERは24.5倍と、サービス業としては平均値くらいですが、割安とは言えない状況です。

 この表で一番気になるのは売上高の予測値です。昨年度から40%強増の22,757百万円を見込んでいます。

気になるのは中期計画からの大幅な前倒し

 同社が2018年1月31日に発表した中期計画では、以下のとおり2019年に売上高219億円を目指すとあります。
 
 これに対し2018年で売り上げ220億を達成するということで、中期計画から1年前倒しでを見込んでいます。

 同社は5月10日の第一四半期決算ですでに売上げの上振れ予測を発表していますが、今年度の見込みはかなり強気な計画だといえます。

 これが今回僕が投資を見送った最大の要因です。

 上のとおり、コンサルタント1人が1ヶ月に1人成約するペースを約1.4倍に拡大しなければ達成できません。

 同社の成長性に疑問の余地はないと僕は思っていますし、達成すればさらに株価も動意付くだろうと思います。

 ただ、あえてそこに賭けることの合理性が僕には見出せませんでした。

JACリクルートの株価推移と他の人材派遣関連銘柄の推移

 同社の株の購入をためらうもうひとつの理由が、人材派遣関連銘柄全体の株価推移の状況です。ここ数年上がりすぎに感じます。

JACリクルートの株価推移

 下図のとおり、この5年ちょっとで10倍以上です。ほとんど下落といった下落なく、これだけ見ると、「まだはもう」なのか、「もうはまだ」なのか、と悩ましい感じです。成長し続けていることは間違いありません。


 

人材派遣関連銘柄はテンバガー続出

 人材関連銘柄は2013年の第二次阿部内閣成立から2018年の今まで一本調子で上がっている銘柄が多く、正直手を出すのが怖い印象は拭えません(こういうのを見るとつくづく後5年投資に早く目覚めてればと思います)。

・パーソルHD
・アウトソーシング
・エンジャパン

まとめ

 今日は働き方改革関連銘柄として期待しているエグゼクティブ転職に特化したJACリクルートについて分析してみました。

 結論として同社の成長性に疑問の余地はありませんが、タイミングとしては割高感あり、見送りたいと思います。

 この記事を書くにあたり同社のIR資料を一通りみましたが、各支部の社長がかなり若手であり、実力主義の会社であることがよく分かりました。こういう会社は勢いがあり、上で示したような高い目標も乗り越えていくかもしれません。

 もし、次の決算で業績が上振れし、市場が反応しないようなことがあればその時は是非投資したいと考えています。

 まぁ、こんな保守的な考えで投資が成功すれば苦労はしないんですが。。

 ・人材派遣関連銘柄について書いた関連記事です。