米国株投資を始める前に考えた自分ルール

 前回書いたとおり、僕は米国株投資を始めることにしました。投資を始めて2ヶ月後の2016年の11月のことです。今日は米国株投資を始めるにあたって自分の中で決めた投資方針と、なぜそう考えたかを書きたいと思います。

 僕が米国投資を始めるにあたって考えたのは以下のことです。
・資産配分における比率
・長期保有できる銘柄を選ぶ
・ダウに連動するETFを買う
・個別株は独占的な企業かつ配当金が出る企業に投資する。
それぞれについて以下で僕の考え方を説明します。

資産配分における比率

 これは僕の持つ資産(ようは貯金)のうち、どのくらいを米国株投資へ配分するかということです。資産を株式や債券、不動産といった現金以外のものへどのくらいのバランスで振り分けるかを決めることをアセットアロケーションとかポートフォリオと言います。
 僕はいまだに投資本を読んだことがなければ講義を受けたこともありませんので、どれくらいの割合が妥当とされているのかを知りません。多分ですが投資関係の本には、日本円で貯金しているだけはこれからリスクになるから、リスク回避のためにも株や債券、それも先進国や新興国も含めて分散して持っておく方がいいというようなことが書かれているんじゃないかなと想像します。その中のひとつに米国株を代表とする先進国株式も含まれていて、資産の何%くらいは米国株で持っているのがバランスがよいとか書かれているんじゃないかと、想像します(裏は取ってませんが、大きくは外れてないんじゃないかと)。

 ただ、僕の考える米国株への投資配分は、何%という考えではなく、僕の人生において、これからしばらく手を付けないでいられる金額を当てるという考え方で決めました。しばらくという期間について具体的に僕が考えたのは、最低5年です。例えば、数年以内に家を購入する予定があるとか、お子さんが数年後に大学に入学するからまとまった現金が必要となる、といった状況であればそれら「見えている出費」は差し引いた、残りの余力資産です。
 現状は右肩上がりが続いている米国株式相場ですが、リーマンショックでは株価が半額くらいになりました。たまたま現金が必要となって売却しようとしたタイミングにこのような事態が重なるかもしれないからです。

長期保有できる銘柄を選ぶ

 上記のとおり、僕は最低5年は手をつけないでいられるであろう金額を米国株へ投資することとしました。僕は投資への目覚めが遅かったのですが、若い方であれば、積み立てるような形で投資されるのが良いと思います。
 長期保有を前提と考えた大きな理由は上に書いたような暴落のリスクもありますが、それ以上に考慮したのが、為替です。為替は本当にわかりません(読めたらFXします)。過去10年の為替の推移をマネックス証券さんのデータから引用したのが下の図です。

 当たり前ですが、米国の株価が10%上がっても、為替が1ドル110円から100円になった場合、売却して円に戻した時に利益は得られません。むしろ税金分損をするということになります。為替は上の図のとおり、80円から120円の間をいったりきたりしていますが、5年くらいのスパンで見れば、同じくらいの為替相場となるタイミングはきています。また、僕は通貨の価値はその国の経済そのものの強さを反映していくのが当たり前だと信じているため、(日本に対して悲観的であることの裏返しですが)長期的には円安の方向に行くと考えましたので、2017年初頭の110円あたりであれば、少なくとも5年見れば為替による損を回避するタイミングは十分あるだろうとふみました。また、当然円安に進めば円換算での評価額も増加します。
 基本的に米国株は右肩上がり、為替は長い目で見ればボックス、むしろ米国経済が日本より強いのであれば円安傾向になるはず、という理由で米国株は基本長期保有と考えました。
 もちろん、リーマンショックのような暴落リスクはありますので、情勢を見ながら可能なリスク回避はしていきたいと思います。特に近年は北朝鮮情勢も悪化していますので、万が一本格的事態に発展するようなことがあれば、、、と思いますが、現状米国株式市場は日本ほど北朝鮮を相手にしていないというか、ほとんど反応していません。

ダウに連動するETFを保有する

 米国株も当たり前ですが日本と同じように設立数年のベンチャーから100年続く企業があります。日本にいては米国の経済状況を肌で感じることができないので、米国株は基本有名企業から選びたいと考えました。中でもダウやナスダックを構成する銘柄は、誰もが耳にした世界的企業であり、これらにまとめて投資したいと考えました。前回の記事のとおり、日経平均連動のETFに魅力は感じませんが、ダウに連動するETFであれば非常に魅力的です。
 米国株式にまとめて投資できるETFはたくさんあり、これについては別の機会に書きたいと思いますが、例えば世界的大手ETF運用会社のバンガード社のETFであるVTIやVYMは米国の企業全体に分散投資できますので、ダウが上がれば間違いなく上がりますので、米国株のとっかかりとしては非常に良いと思います。僕も両方保有しています。

 僕は根がギャンブル好きですので、安定的なETFももちろん魅力的ですが、個別株も購入したいと考えました。僕が保有している個別株についてもおいおい紹介したいと思いますが、基本的な考え方2つを以下に書きます。

独占的な企業

 僕の米国株の選び方のひとつは、業界で首位くらいのシェアを誇る企業から選ぶということです。これは日本株の買い方にも共通しています。やはりトップ(もしくはそれに近い)シェアの企業はそれだけ有利に商売を行えると思うからです。特に独占企業は強いと思います。僕が一番最初に買った株はボーイングです。飛行機製造のトップメーカーであり、かつ軍需産業の雄です。飛行機は無くなりませんし、軍拡を進める米国において、同社の地位は揺るぎないだろうと考えたためです。
 トップに近いシェアを有する企業を選ぶと書きましたが、IT業界に関してはこの限りではありません。ひと昔まえ業界を牛耳っていたIBMが後発のMicrosoftやアップルの追い越されたように、IT業界の構図は目まぐるしく入れ替わり、非常に厳しい競争環境を強いられています。まさに生き馬の目を抜くような世界です。逆に競争に打ち勝った企業は、例えばgoogleの株価が100ドルからスタートし10年ちょっとで約10倍になっています。こういう銘柄を発掘して一発当てられれば、、と思いますが、僕には先を読む目はないのでIT系の個別株はほとんど持っていませんし今後も購入する予定はありません。ETFで広く浅く投資してIT業界進展の恩恵を受けれればそれで十分です。

配当金が出る企業

 次に配当金が出る企業です。株価の未来は読めませんが、配当金による収入は読めます。特に長期保有で構えるならば、安定的に配当金が出る企業の方が魅力的です。僕のように庶民の投資資金では微々たる配当しか得られません。それでも配当金を受け取ると、投資をしているという実感を得られますし、経済と繋がっている感覚が、投資を続けようというモチベーションにもなります。特に米国株は株主還元を重視している企業が多く、高配当の企業が多いです。この観点も踏まえて僕が保有しているのはコカコーラとロイヤルダッチシェル(石油の会社)です。どちらも配当が高め(ロイヤルダッチシェルに関しては6%以上)で、100万円投資した場合1年間で数万円程度の不労所得を得られます。

まとめ

 今日は僕の米国株投資への投資方針を書きました。上記のスタンスは今も変わっていません。
米国株市場は値幅の上限を設けないため、国内株のようにストップ高、ストップ安はなく、下がる(上がる)時はとことん行くといわれ、値動きが凄いというイメージを持たれる方も多く、リスクは日本株より高いという紹介も目にしますが、感覚的にはよほど日本株の値動きの方が荒いです。まぁそれが日本株の魅力と僕も思いますが、1年間両方やってみた僕の意見としては、長期で安定的な運用を目指すので、あれば間違いなく選ぶべきは米国株です。