「新卒ガチャ」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。厳しい就職活動をくぐり抜けようやく内定を勝ち取っても、入社してからの社会人生活の満足度を決めるのは自分ではどうしようもない外部環境に依存する部分が大きく、その要素を「上司ガチャ」「配属ガチャ」という風に、ソーシャルゲームの課金ガチャになぞらえた言葉です。
就職にまつわる「ガチャ」として有名なものに「上司ガチャ」や「配属ガチャ」がありますね。
いい上司に当たるか、本当にやりたい仕事ができる職場に配属されるのか、当然ながらこれらはあなたの今後の社会人生活を大きく左右します。
一方でこれらは会社側が決めるため、自分の力ではどうしようもない、運次第の要素が強いです。
就活生や新卒社会人の方はどのようなガチャが会社に存在するのか気になるのではないでしょうか。
今日は10年以上サラリーマンを続けている僕が会社に存在する「ガチャ」の種類を上記を含めて具体的にしてみます。
また、先輩風を吹かせるようですみませんが、これら会社ガチャで「ハズレ」を引いてしまった時の対処法の一例を僕自身の経験をもとにお伝えします。
上司ガチャ
新卒ガチャで一番気になるのが「上司ガチャ」でしょう。
上司ガチャはあなたが順風満帆な会社生活のスタートを切れるかどうかにかなり大きな影響を与えますが、こればかりは本当に蓋を開けてみるまでわかりません。
パワハラやセクハラするような上司にあたったら絶望的な気持ちになりますよね。コンプラに抵触するような人は迷うことなく総務にチクってやりましょう。
上司ガチャにも2つあります。管理職ガチャと先輩ガチャは分けて考えた方がいいでしょう。
管理職ガチャがハズレならとりあえずやり過ごす
あなたが入社したら当然どこかの部なり課なりに配属されることになるのですが、そこには管理職というポストがあり、ようはあなたのボスにあたる存在です。
頑張っている社員に向かって、「残業するなっつっただろボケ」とか、新入社員に「なんでこんなことも出来ないんだ」と言うくらいに終わってる管理職は普通にいます。
このようなハズレくじ引いた〜って人は多いと思いますが、一度は耐える、やり過ごす、ということをおすすめします。
管理職はローテーションなので、数年以内にどっかに行ってしまうからです。
新入社員であれば、最初にあたった管理職があなたのキャリアに致命的な傷をつけることは普通はありません。
一方でこれらは出世した人=会社に評価されている人、というのも事実ですので、よくよく観察して彼らがどんな時に怒るのかなどを学習してみてください。
会社の色に染まることが良いとは思いませんが、ストレスなく会社生活を送りたいなら、ある程度上司に合わせるというのも大切です。
若いころは上司になんか興味が湧かないもので、僕もそうでしたが、もう少し上手く立ち回れる場面もあったかなと反省しています。
先輩ガチャは周囲の評判を確認
組織の規模にもよりますが、新卒社員の上には管理職とは別に教育担当などのような先輩が添えられることが多いです。
多分新卒ガチャで一番重要なのがこの「先輩ガチャ」です。
この先輩から業務のいろはを学んでいくわけですが、直属の上司とも呼べる一番身近な先輩との相性が悪いのはけっこう辛いですね。
右も左もわからない新入社員のうちは盲目に先輩の言うことが正しいと思うかもしれませんが、あれっ?こいつ間違ってないか?と思ったら、他の課員など周囲に評判をそれとなく聞いてみましょう。
意外と周りもその人の方が間違っていると考えているかもしれません。
こういう時はその先輩から可能な限り離れる努力をしましょう。異動願いを出すのも手です。
僕の新卒時の上司は失敗をなすりつけてくるようなタイプだったので、3年目に堪忍袋の尾が切れて大げんかしたのですが、周囲は僕の味方をしてくれました。
ただし、自分がハズレだと思っている上司の周囲の評判がよければ、これはその会社そのものとあなたの価値観のズレ、相性が悪いのかもしれません。
逆に尊敬できる先輩にめぐり合えたのであれば、新卒ガチャでおそらく一番重要なSSRカードを手に入れたのと同じ、というくらいにラッキーです。
同期ガチャ
自分と同じタイミングで会社に入る同期がどんな人たちなのかは入社前からとても気になりますよね。
僕も同期と仲良くやっていけるだろうか、相性や価値観は合うだろうかと、出会う前からやきもきした気持ちでした。
特に若いうちは上司などよりも同世代の目の方が気になるものです。
中には今現在、同期の輪にとけこめない、なんか仲間外れぽくなってきた、と悩んでいる人もいるかと思います。
同期ガチャはすごく重要に思われるかもしれませんが、実際は新卒ガチャの中では重要度はそれほど高くありません。
もちろん仕事上でも同期ということで助けてもらえたり有利に働く場面も多く、仲良くなっておくに越したことはありませんが、無理に周りに合わせる必要はないかな、という感じです。
社内の友人は1人いれば十分
どんなに同期の仲が良くても、みんなで飲みにいったり旅行に行ったりと積極的につるむのも最初の数年です。
次第に転勤者がでたり、結婚したりとそれぞれの人生のステージが代わるにつれて同期とは疎遠になっていくものです。
40代、50代が毎週同期で飲み会とかしてたら異常ですよね。
なので同期の中で少し浮いてしまったとしても気にすることはありません。
広く薄い関係性を築くよりも、同期に限らず先輩でも後輩でも良いので、なんでも話せる友人と呼べる人が1人いる方が将来的に価値が高いと思いますので、合わない人に無理に合わせる必要はなく、自然体でいられる居心地のいい相手を大切にしましょう。
僕自身、同期の仲は良かった方だと思いますが、それでも30代になってからは仕事終わりに飲みに行くのはいつも決まった数人です。
社外の友人を大切にした方がよい
同期ガチャに関連して交友関係という意味において、僕自身の反省も踏まえると、社外の友人を大切にして欲しいと思います。
勤める会社の常識が世間の常識と勘違いするのを防止するためです。
会社生活が1年また1年と経過していくにつれ、否が応でもあなた自身も次第に会社のカラーに染まっていきます。
一旦就職すると、人生において大半を過ごすのが会社なので、そこで接する人たちの間で共有される価値観や考え方が一般的な常識のように錯覚しはじめるのです。
最近になってこれは本当に危険だなぁと感じています。
例えばブラックな職場にあたって、まぁみんな同じだからしょうがないよね、頑張るしかないよね、といった考えになりそうな時に、それおかしいよね?と客観的にアドバイスをくれたりするのは同じ環境で毒された人には出来ない役割です。
また、同じ価値観の人に囲まれると居心地はいいかもしれませんが、次第にそれ以外の考え方を認められなくなり、多様性を許容できなくなることにも繋がります。
頑固親父化して社内で嫌われてしまうのがこのパターンなので、広い視野を持ち続けるためにも社外の友人は大切です。
配属ガチャ
配属ガチャにもいくつかあります。
特に採用が多い大企業の場合この配属ガチャの影響はかなり大きいですね。
勤務地ガチャ
東京や大阪などの都会で社会人生活を送りたかったのにど田舎に配属された、などはよくあります。
こればかりは正直どうしようもないです。異動願いを出しましょう。
回避策としては、募集されている職種がどこの事業所にあるのかなどは調べればわかりますので、就職活動の段階で入念に下調べをすることです。
業種ガチャ
理系のエンジニア配属などは就職前にだいたいの業種が決まっていますが、文系の総合職の場合、配属ガチャはけっこうあります。
総務部や人事部などは空きポジションなどの会社都合によって希望が叶わないケースも多いですね。
ただ、やりたい仕事と向いている仕事は違うことも多く、与えられた職場が希望と違っていても、意外とあなたに向いている可能性もあります。
向いている仕事は次第に好きになっていくものですので、新卒数ヶ月で配属ガチャがハズレたと思って腐れるのは早いです。
石の上にも3年、という時代ではないと思いますが、環境への適応性はどこにいっても、どんな仕事をするにしても求められますので、1年くらいは与えられた職場でやりがいを探してみることをおすすめします。
その他のガチャ
ここまで「上司ガチャ」「同期ガチャ」「配属ガチャ」についてお伝えしましたが、最後にその他のガチャを少しだけお伝えします。
お客さまガチャ
当たり前ですが、どんな職場においても、仕事には相手が存在します。
接客業なら一般の人だったり、BtoBビジネスなら取引先だったりがそれです。
これも運ですが、けっこうインパクトがありますね。
僕はメーカーでSEをやってますが、無理難題な要求を突きつけてくる、インテリヤクザのような顧客にあたったことがあり、かなり精神を削られました。
取引先を事前に選ぶなんて出来ようもありませんが、ユーザー系のような職種は自分が客側ですので、こういった業種の選び方も手ではあります。
聞いた話ですが、例えばNTTド○モなどの携帯キャリアや、大手の銀行なんかは窓口業務以外は殿様商売の部署が多かったりするそうです。
業績ガチャ
これで最後ですが、たとえば営業職の場合、配属される部署の業績が良いか悪いかも結構重要なガチャ要素だったりします。
業績の悪い部署は、職場環境も悪い場合が多いです。これは間違いありません。
逆に花形の部署は忙しいのは間違いないですが、周囲にエース級の人が揃っていて学びも多く、自身の成長にはもってこいの環境です。
業績のよい部署に配属される確率を高めるためには、就職活動で成長産業を選ぶという視点を持つのが大切かなと思います。
最後にさらっと書きましたが、これが今日一番お伝えしたいことです。
就職ガチャが全部ハズレならリセマラ(転職)しかない
就職ガチャは基本的にはリセマラがききません。
会社の人員計画というものがあるので、明確なスキルもない若手のうちの異動希望は簡単には通らないでしょう。
上で書いたようなガチャ要素が全部ハズレだった場合は、早めに会社を辞めるか、転職を視野に入れるのも手です。
人材不足の現代は第二新卒にも十分なチャンスがあります。
ちなみに転職するならより多くの転職サイトに登録することをおすすめします。転職の成否はどこを使うかというよりも、エージェントとの相性による場合が多いからです。
リクナビやマイナビ、dodaなど有名ところはありますが、第二新卒ならばそれに特化したところが良いように思います。
僕の友人はネオキャリアで転職しましたが、大手よりもサポートが手厚かったそうです。
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まとめ
今日は10年以上サラリーマンを続けている僕が会社に存在する「ガチャ」について自身の経験をもとにお伝えしました。
就職する会社そのものよりも、あたった上司や職場によって会社生活の充実感や満足度が左右されるというのは、自分自身や周囲を見ていても、間違いなく事実です。
逆に就職なんて運次第、と思えば、絶対この会社じゃないとダメ、みたいな就職活動のプレッシャーも軽くなるのではないでしょうか。