Will Can Must 自己分析を使ったタイプ診断|サラリーマンに一番多いのは惰性型らしい

Will Can Mustとは自己分析のフレームワークで、特に社会人が自身のキャリアプランニングを見直す視点のひとつとして有名な手法です。先日会社の研修でこれの具体的な活用方法やサラリーマンに多いタイプなどを学んだのですが、これが意外と面白かったです。

Will Can Must分析はリクルート社が社員の評価制度に取り入れた手法で、学生が就職活動に際して自分のやりたいことと仕事のマッチングを見る場合などにも使われています。

多くの企業がこの分析手法を活用しはじめていて、僕がつい先日これからのキャリアプランを考えてみよう的な会社の研修を受けた時にも使われていました。

はじめて使ったテンプレートでしたが、意外な気付きもありましたので、簡単な使い方と、自己分析のタイプ別診断法をお伝えします。

Will Can Must分析とは

Will Can Must分析の概要は多くの方がすでにご存知かと思いますので、説明は簡単に済ませます。

will-can-must

上の図で示したように、3つの視点で自分の状況を整理します。

Will Can Mustの意味
・Will = 自分がやりたいこと
・Can = 自分ができること
・Must = 会社に求められること(やらなければならないこと)

 

すごくざっくり言うと、この3つの輪が重なるような仕事をすると充実感が得られ、ひいては人生の満足感が高いですよ、ということです。

ちょっと極端ですが、簡単な例を示します。

この例では、海外志向のWillに、英語というCanを生かし、事業拡大というMustに対して、海外営業職や現地駐在員などがこの人に適したキャリアの1つだと導出しています。

実際は上のようにシンプルな話ではなく、Willにプライベートな希望、例えば子供が小さく家族との時間を何より大切にしたい、といった条件が入れば海外への単身赴任などはベストなキャリアプランでは無くなるでしょう。

まずはWill、Can、Mustをキーワードで10個くらいずつ書き出してみてください。

そしてそれらの関係性を整理し、今の自分が置かれている状況を客観的に見つつ、自分に相応しい次のキャリアは何なのか、ということを考えるスキームです。

使い方のアドバイスですが、Willが一番大事なのはもちろんですが、Mustに今現在のやるべきことと、少し先の将来まで見据えたMustを入れておくとよりよい分析となるでしょう。

Will Can Mustのタイプ別分析


3つの輪が完全に重なるキャリアプランが理想的なのですが、会社に勤める身であれば、やりたくなくてもやらなければならない仕事(Must)もありますし、やりたい仕事(Will)に必要なスキル(Can)が足りていないというような状況も多いです。

この輪を実際書いてみるといくつかのタイプに分かれるそうです。

実際に自分でやってみてどのタイプに当てはまるか見てみてると面白いですよ。

惰性型

日本のサラリーマン、特にホワイトカラーにこのタイプが圧倒的に多く、8,9割の人がこれに当てはまるそうです。

自分がやりたいことじゃないけど、できる範囲で会社に求められることをやっている、というこのタイプは惰性型と呼ぶに相応しいですね。

Willが外れているだけならまだしも、そもそもやりたいこと無い、という人も多いそうです。

今日は円の大きさには言及しませんが、この状態だと本人もCanを大きくするモチベーションが小さいですので、組織から大きな仕事を任されることはないでしょう。

グループ討議などをしていても、明らかに後ろ向きな発言が多いのがこのタイプでしたね。

発言の中身も浅く、視野も視座も新入社員のころから変わってないのかな、と疑うような人もいました。

僕の勤める会社はそこそこ大企業で、そう簡単には入れないはずなのですが、それでもこのタイプが多いそうです。

勉強ができる頭の良さというアドバンテージなんか、社会に出てからの過ごし方次第ですぐに無くなってしまいます。

後悔ばかりの会社生活とならないためにも、自己分析ではやはりWillをしっかり考えるところからはじめるのがよいでしょう。

努力(実力)不足型

やりたいことをミッションとして与えてもらっているけど、力不足な状態です。

3つの輪が上のような状態であれば、これは努力不足型といえるでしょう。

ただ、異動などでポジションが変わってこうなるケースもありますし、WillとMustが重なっているので、自然とそれに必要なスキルは自分から身につけるはずです。

特に新社会人の人は、まずはこの状態になるように会社へ積極的に働きかける(異動希望を出すとか)のが良いと思います。

勘違い型

実力はあるんだけど組織が求めることを理解していない、これは勘違い型ですね。

このタイプはなぜ自分が会社や組織から評価されていないかを理解できていないです。

「あの人仕事はできるんだけどね〜」とか、「くせが強いんだよね〜」などと評される人はだいたいこのパターンに陥っています。

こういう人はやりたいこととそれに相応しいスキルがあるので、転職を視野に入れるのも良い選択肢だと思います。

自分の能力を発揮できる場所に行けば必ず輝けるはずです。

最近注目を集めているフリーランス的な働き方もありですね。Mustを自分の方に寄せていくことができるからです。

残念型

3つの輪が全く重ならない、これは残念型ですね。

自分のやりたいこともなく、これといったスキルもなく、周囲から何を期待されているかも理解していない、ちょっと危険な状態です。

こういう形になってしまった人は、おそらく自己分析が十分でなく、すべての輪の輪郭がぼんやりとしているはずです。

とにかく働きたくないんだ、それだけなんだ、という人は論外ですが、まずはそれぞれの輪を定量的な形になるまで自分を見つめ直すのがよいでしょう。

まとめ

今日はキャリアプランニングのツールとして有名な Will Can Must を使った自己分析のやり方の簡単な説明と、そこから見えてくるタイプの特徴をお伝えしました。

最近は転職も当たり前、若者は会社に属さないフリーランス的な働き方を指向している中で、自身のキャリアを見つめ直すのに良い手法だと思いますので、ぜひ一度ためしてみてください。