ドラクエウォークのサービス開始をきっかけに、同サービスを開発したコロプラ(3668)が連日のストップ高を付けています。コロプラは人気の白猫プロジェクトなどを手掛けるスマホ向けアプリを開発する会社です。今日は投資対象としてコロプラを分析し、今後の株価を予想してみたいと思います。
ドラクエウォークは9月12日にサービスが開始され、リリースから1週間でなんと500万ダウンロードを達成したそうです。
1日平均70万人近い人がダウンロードしたと思うと本当にすごいことだと思います。
サービス開始から一ヶ月もたっていませんが、タレントの有吉さんがハマってると公言してましたね。
ちなみに最近の位置ゲーのヒット作といえば任天堂のポケモンGoですが、こちらは全世界ですでに10億ダウンロードを記録しています。
これに比べればまだまだ少ないですが、日本国内での認知度はドラクエも負けていませんので、今後もまだまだ増えるでしょう。
このドラクエウォークの好調な出発に呼応するように、同社の株価が急上昇、連日のストップ高を演じました。
ほんのひと月前に発表された第3四半期決算では赤字ということで失望売りを誘いました。
上の図の一番底値のところです。
同社は例年第3四半期に広告などを大きく打つためですが、市場はかなり動揺したようですね。
結果論ですが、振り返るとこれが絶好の買い時となっています。
同社の株価は8月終わりに7百円くらいだったで、この一ヶ月弱で、実に2倍に化けたということです。
決算に踊らされることなく、ドラクエウォーク発売前から株を保有していた人がうらやましいですね。
そんな中、今からでもこのドラクエウォーク相場に乗ることはできるのかどうか考えてみたいと思います。
こうやって僕のような素人が飛びついた所でガツンと下がるのが相場の常で、さんざん痛い目を見てきたのですが、それでも自分の中で納得行く理由が見つかれば買ってみたいと思います。
今日は同社の過去の業績や今の株価水準を分析してみた内容をお伝えします。
結論から言いますと、僕はコロプラの株を買ってみようと思います。というかつい先日買いました。
目次
コロプラとは
コロプラは主にスマホ向けゲームアプリを開発している会社です。
スマホアプリの先駆け的存在のKLabから独立し、2012年にマザーズ上場、2014年からは東証1部へ上場しています。
クイズRPGの魔法使いと黒猫のウィズがヒットし、続く白猫プロジェクトは累計ダウンロード数が1億を突破しています。
ディズニーツムツムも根強い人気で、今でも電車の中でやってる人を多く見かけます。
課金アプリは非常に利益率が良いことが想像に難くなく、作品がヒットすれば多大な利益が期待できます。
一方で、ミクシィやKLabなどのライバル企業も多く、人の興味も新しいもににすぐに移ってしまうので、確固たる地位を築くのも難しい業界だと言えるでしょう。
コロプラの業績
コロプラの株を買うかどうかを考えるにあたり、まずは直近の業績をみて行きましょう。
昨年の売上、利益
コロプラの決算資料を簡単に整理しました。
(百万円) | 2018年 |
売上高 | 45,776 |
経常利益 | 6,097 |
純利益 | 4,192 |
ROE | 6.00% |
まだ若い会社ですので売上は450億規模と、東証1部上場企業としては少ない方ですが、しっかり利益も出しています。
上場以来、通年で赤字になったことはありません。
ただし、後述しますが、白猫プロジェクトがヒットした2015年ころに比べると売上高は下がってます。
また、ROE(自己資本利益率)が6%と、優良の目安とされる10%を切っていることも気がかりではあります。
ちなみに、その年によるでしょうが、同社は次年度の業績予想を開示しない方針だそうです。
ヒットが出るか出ないかで業績が大きく変わる、水物のような特性があるから仕方ないですね。
財務は健全
同社の財務諸表をまとめます。
総資産(百万円) | 73,342 |
自己資本比率 | 93.00% |
利益剰余金(百万円) | 60,156 |
有利子負債 | 0 |
自己資本比率は40%以上が健全の目安とされる中、90%以上あります。
また、有利子負債がゼロ、無借金経営というのもいいですね。
レバレッジをかけた企業経営をしていないので、借金で首が回らなくなる、などの心配はなさそうです。
この業界の株価は乱降下するので財務はあまり関係なさそうですが、それでも株を買う際のひとつの安心材料ではあります。
配当もがんばっている
同社はIT系企業にしては珍しく、配当もがんばっています。
2018年 | |
配当金 | 17円 |
配当利回り | 2.27% |
配当性向 | 51.40% |
昨年度は創立10周年の記念配当も加えると、配当性向が50%オーバーです。
それでも配当利回りは高くはないですが、新興系の企業はゼロ配当が当たり前な中で、株主還元の姿勢が強い会社と言えるでしょう。
KLabも配当ゼロです。
ちなみにコロプラの株主優待はありません。
ここ数年の業績は右肩下がり
コロプラのIR資料に過去の業績ハイライトがありましたので引用します。
ここ数年は右肩下がりなのが見て取れます。
白猫プロジェクトや黒猫と魔法使いのウィズがヒットした後、ここ数年ヒット作を輩出できていないのが原因です。
ドラクエウォークにかける期待もかなり大きいでしょう。
コロプラの株価推移
続いて過去10年の株価推移を見てみます。
株価も2014年をピークに右肩下がりですが、ドラクエウォークのサービス開始をきっかけに株価が同意付いたのが分かります。
長い目で見れば業績と連動している
上で引用した業績と株価の横軸スケールが違いますが、よく見ると連動しています。
当たり前と言えば当たり前ですね。
株価の方が業績を少し先取りした感じで動いていることも分かります。
コロプラの今後の株価を予想してみる
僕はコロプラの今後の株価に期待したいと思い、1口100株だけ購入してみました。
すでに数日ストップ高を付けた後で、乗り遅れ感は否めませんが、もしかするとまだまだ上がるかもしれないと感じたからです。
ドラクエウォークが白猫プロジェクトを超えられるかどうかが鍵
コロプラの収入源はスマホアプリへのユーザーの課金が大半を占めています。
今でも主力は白猫プロジェクトですが、身の回りにはこれに課金している人はいません。
一方のドラクエウォークは、30代から40代のドラクエ世代の、ある程度お金を持っているサラリーマンを中心にヒットしている様子で、すでに周りでも課金したという人がいます。
株を買う前に僕自身もダウンロードしてプレイしてみたのですが結構面白く、今までスマホアプリで課金したことが一度もない僕でさえ、10連ガチャ引きたくて課金してみようかな、と思ってしまいました。
間違いなくポケモンGOよりも課金欲求は駆り立てられますね。
白猫プロジェクトがヒットした頃に株価が4,000円を超えていますので、ドラクエウォークがこれと同じくらい人気がでれば同じ水準くらいまで戻っても全然おかしくありません。
こういう未来に僕は掛けてみたということです。
今年から来年にかけて新作が目白押し
コロプラのIR資料を読んだところ、今年は6本の新作、来年には5本の新作ソフトが控えているそうです。
昨年が3作だったので、かなり開発に力を入れているのが分かります。
これら新作の動向にも注目したいと思います。
コロプラの懸念材料
最後にコロプラの株を保有するにあたり僕が懸念事項だと感じた点をいくつかお伝えします。
任天堂との訴訟問題が気がかり
コロプラは現在任天堂に特許関係の問題で訴訟をおこされています。
詳しくは割愛しますが、これが全面敗訴という形で決着すれば、株価が急落することが想像に難くありません。
同社の株を購入しようと考えている方は、こういった情報にも目を向けた方が良いでしょう。
すでにチキンレースははじまっている
ドラクエウォークで動意付いた同社の株は連日すごい出来高で取引されています。
信用売買の量もすごいです。
特に信用売りが激増していますね。
これらは今の株価は上がりすぎだと逆張りする人たちです。
信用売買している方は一時の波に乗ることが目的で、長期で株を保有する気がありません。
株価が上がるか下がるかの丁半博打にこれだけの人が参加している鉄火場と化しているということは、いずれこれらが清算され、上か下かは分かりませんが、大きく株価が動くでしょう。
まとめ
今日はドラクエウォークをきっかけに株価が急騰しているコロプラ(3668)の業績を分析し、今後の見通しなどを予想してみました。
KLabなどもそうですが、この業界はちょっとしたニュースでストップ高やストップ安を演じることが多く、保守的な僕は敬遠していたのですが、コロプラは期待できそうだと感じました。
日々の値動きは荒いのは分かっていることなのであまり気にせず、長期でしばらく保有してみようと思います。
ドラクエ相場は始まったばかりなのか、もう終わりなのか、その答えは誰にもわかりませんが、特に決算前後では大きく株価が動くのは間違いありませんので、同社の株の購入を検討されている方は、そういう株だという覚悟を持って買われた方が良いでしょう。