太陽光発電投資をはじめるのに必要な手持ち資金はいくら?|連携待ち期間の現金ショートに注意

 僕のように普通のサラリーマンが太陽光投資をはじめる場合の方の多くは、銀行なり信販なりにお金を借りて太陽光発電所を買うことになりますが、初期費用としていくらかの手出しは必要となります。今日は太陽光発電投資をはじめるのに一体いくら手持ちのお金が必要かということについてお伝えします。

 ここでは太陽光発電投資のモデルケースとして2,000万円くらいの低圧野立て太陽光で考えていきます。

 個人が投資する太陽光発電設備は低圧の50kW以下のものが一般的で、2018年現在の相場感としては2,000万円程度です。これが概ね毎年200万くらいの売電をするということで利回り10%を謳う案件が多いです。

 来年以降はFIT法による買取単価も大幅に下落することが見込まれているため、今年はラストチャンスということで急いで購入を検討されている方も多いようですが、初期費用としてある程度の現金が必要となります。

太陽光投資に必要な初期費用まとめ

 まず最初に結論をまとめますと、以下の表のような初期費用を現金で準備する必要があります。

概算金額 備考
土地代 50〜200万円 地主さんへ
連携負担金 30〜100万円 電力会社へ
売電開始までのローン返済 50〜100万円 借入元へ

 それぞれでかなり金額に幅があります。

 これらについて以降個別に細部をお伝えします。ご自分のケースと見比べて漏れがないか業者見積もり等ともよく見比べて頂きたいですが、特にローン返済の部分は注意が必要です。

土地代

 野立ての太陽光投資をはじめる場合、体育館くらいの広さの土地に太陽光パネルを設置するわけですが、この土地を借用もしくは購入する必要があります。

 土地代はローンを組めませんので、現金で支払う必要があります。

 田舎の土地ですので、概ね50万から200万が相場です。

 これは業者さんが提示してくれていると思いますが、利回りが土地代込みで計算されているかは注意して見てください。

 表面利回り10%以上といっている中に土地代を含まないものも多く、足してみるとFIT法が適用可能な20年で回収不可能となるケースもあり得ます。ただ、悪徳業者でない限りこのようなことはないとは思います。

連携負担金

 これは太陽光発電設備を東電なり関電なりの電力事業者へ接続してもらうために支払う費用となり、安くて30万、高い場合は100万を超える場合もあるので注意が必要です。

 すでに工事が完成している物件であれば、連携負担金込みとなっているケースが多いですが、これから新規に設置する場合はこれが外出しとなる上に、いくらかかるのかが分からないというケースが多いです。

 ここは東電なり電力事業者側が設備を見て見積もるため、太陽光発電の販売業者では正確な金額を提示できないためです。

 太陽光発電設備から電力事業者の持つ電柱までの距離に大きく依存し、新たに電柱を建てる必要がある場合はこの連携負担金がかなり高額となります。だいたい電柱1本ごとに+30万くらいするそうです。

 これはかなりリスクが高いので、新たに設置する物件であれば現地確認等で業者に見込み費用をだしてもらうのが良いでしょう。

 一番は工事が完成しているか、連携負担金込みで販売する物件を選ぶのが良いですが、競争率も高いですのでなかなか出会えないかもしれません。

 僕は太陽光発電投資で一番大切なのは業者選びだと考えています。

売電開始までのローンの返済

 僕と同じく普通のサラリーマンの方がキャッシュで太陽光発電所を購入するのは困難ですので、銀行なりJACCS、アプラスといった信販会社から設備購入のためのお金を借りることになります。
・2018年現在、太陽光発電投資で日本政策金融公庫から融資を受けるのは難しいかもしれない

 基本的には売電による収入でローン返済を相殺していくわけですが、最初から数回の返済は手持ち資金から捻出する必要があります。

 ここはかなり大事で、最低でも100万円は待機資金として手元に持っておく余力が必要です。

 太陽光投資の一般的なスケジュールは下図のようになります。

 まず工事を開始するのにお金を払う必要がありますので、ローンの借入れは工事着工前が基本となります。

 これに対しローンの返済は一般的には借入れの一ヶ月後となります。

 個別にスケジュールをみていくと、工事自体は1ヶ月もかかりませんが、このあとの連携待ち期間に注意が必要です。

 連携の申請は業者がしてくれますが、電力事業者が太陽光発電所を接続してくれるまでにかなりの期間を要します。

 僕のケースは2ヶ月待ちました。業者に聞いたところ、長い人で6ヶ月くらい接続待ちという方もいらっしゃるようです。

 これは販売業者に文句をいってもどうしようもない部分ですが、かなり問題となるケースもあるようです。

 太陽光発電設備はかなり急速に広まり、制度改正の影響もあり今年は連携を皆さんかなり急がれています。工事業者も逼迫しておりなかなか順番待ちがなかなか進まないようです。

 2,000万円規模の太陽光投資をはじめる場合、FIT法いっぱいの20年返済でローンを組むと、概ね月15万弱のローン返済となります。

 最初の売電収入は接続の一ヶ月以上後ですので、最大で半年から1年はローンを自腹で返していく必要があります。ローン借入れから売電収入が発生するまで半年かかれば90万です。

 大きな販売業者であればローン借入れを完成ぎりぎりまでまってくれるケースもありますが、連携期間だけはどうしようもありません。 

 万が一連携待ち期間に預金がショートしてしまうなんてことになると大問題ですので注意が必要です。

まとめ

 今日は僕の経験から太陽光投資をはじめるのに必要な手持ち資金についてお伝えしました。

 太陽光発電は利回りに目がいきがちですが、このような初期費用についてもきちんと見込み、十分な余力資金を持って購入されることをおすすめします。

・太陽光発電投資は表面利回りだけを見てはいけない|太陽光投資で失敗しないためのチェックポイント