太陽光発電投資は表面利回りだけを見てはいけない|太陽光投資で失敗しないためのチェックポイント

 太陽光発電投資を検討されている方の多くが一番気にするのが表面利回りです。一般的には10%程度の利回りを謳う案件が多く、表面利回りを基準に選ばれている方が多いのではないでしょうか。表面利回りはたしかに大事ですが、それだけを基準に選ばれるのは危険だと思います。

 僕は野立ての太陽光発電投資を2018年から始めました。当初は僕も高利回り案件を中心に探していましたが、実際に購入に至るまでにいろいろ調べてみた過程でいろいろな気付きがありました。今日は太陽光投資を検討されている方に向けて注意すべきチェックポイントをお伝えしたいと思います。

 例えば2,000万円で表面利回り10%の物件があったとして、これを、毎年200万の収入が得られるから元本を10年で回収できて、FIT制度が保証する残り10年で2,000万儲かるなんて考えてないでしょうね?太陽光投資はそんな旨い話ではありません。

太陽光発電投資を取り巻く環境


 太陽光投資を検討されている方には当たり前ですが、太陽光発電投資が安定した投資先とされている理由は他でもないFIT制度のおかげです。20年間固定額で電力を買い取りますという制度が当時の民主党政権下で作られました。

 これを機に太陽光投資は一気にブームとなったのですが、売電単価は年々下がっています。
 2019年の売電単価は18円に決定し、翌年以降はFIT制度そのものが無くなるのではないか、と言われています。

 個人的には売電単価18円が損益のデッドラインだと考えており、これ以上は下がろうが無くなろうが同じかな、と感じています。

 また、数年前まではクリーン減税制度を活用した節税により実質所得を増やすことができました。もう使えないので説明はざっくりですが、太陽光発電設備購入代金をサラリーマンの収入と合算することで、サラリーマンとして収めた税金を取り戻すことができました。これだけでも数百万の効果がありましたが、今はもうこのような制度はありません。

 2018年現在利用可能な制度は、償却資産税の軽減制度(3年間)と消費税還付のみです。これらは確実に実施しましょう。

 このような状況の中、太陽光発電投資は事業としての成立性を見極めることが大切だと考えています。

 これは言い換えると、表面利回りではなく、キャッシュフローで考えるということです。

太陽光発電投資にかかる初期費用のチェックポイント

 太陽光発電のキャッシュフローを考える上でまず大切なのは初期費用です。業者によって購入代金の前提が異なってたりしますので注意が必要です。太陽光投資を検討されている方は見積りをよく確認してください。

土地代

 高利回り案件の多くが実は土地代が含まれていなかったりします。
 太陽光発電は発電所を設置する土地を賃貸するか購入します。規模にもよりますが、一般に数百万が相場です。これを含まず高利回りと言っている案件には注意しましょう。
 ちなみに、土地代は信販等でローンが組めませんので注意してください。太陽光発電投資にはある程度の手持ち資金が必要です。
 

連携費用

 連携費用とは、東電なり関電なり電力事業者に接続してもらうのに必要な費用です。
 これから新たに設置する発電所だと、これが含まれておらず、連携費用は後で実費請求となっている案件に注意が必要です。
 連携費用はケースバイケースですが、近くに電柱がない場合、発電設備を電力会社に接続するために新たに電柱を設置する必要があり、連携費用がかなり高額になる可能性があります
 僕が実際に話した業者によると、電柱1本の設置に約30万かかるそうです。近くに民家もない場所だとこれだけで数百万ということにもなりかねません。現地確認は必須です。これ、本当に注意した方が良いです。
 一番は、既に連携費用が明らかになっている案件を探すことです。

 まずは土地代と連携費用、この2つが含まれた見積りかどうかを確認しましょう。

発電シミュレーションのチェックポイント

 発電量は太陽光発電投資のキャッシュフローの一番大切な売電収入を左右するものです。

 業者から発電シミュレーションを入手していますか?
 最大出力やシステム容量だけを提示する業者は要注意です。

晴天率や日照時間を考慮した発電シミュレーションが提示されているか

 太陽光発電は晴れていなければ発電しません。曇りや雨でもある程度は発電しますが、驚くほど発電量は下がります。
 
 日々の天候は読めませんが、気象庁が開示している晴天率や日照量等の統計データをもとに見込みの発電量を算出することは可能です。晴天率や日照時間を踏まえたシミュレーションを提示しないような業者から購入するのは止めましょう。

 特に雨の多い日本海側で太陽光発電を始められる方は注意が必要です。

発電劣化量

 太陽光パネルは簡素な構造ですので故障等はあまり発生しませんが、それでも発電量は低下していきます。経産省等のデータによると1年あたり0.5%程度は性能が劣化するとされています。

 仮に年0.5%劣化するとした場合、20年後の発電量は初年度の90%となります。ここまで考慮した発電シミュレーションを提示する会社は少ないですが、自分でキャッシュフローを計算する際には劣化量も考慮した方がよいでしょう。

太陽光発電のランニングコスト

 太陽光発電投資のキャッシュフローを考える上で支出を計算しておく必要があります。

 発電シミュレーションとおりに発電してくれるかどうかはお天道様次第ではありますが、支出はほぼ明確に計算することができます。

償却資産税

 太陽光発電施設には償却資産税がかかります。これ、結構高いです。

 仮に2,000万円の設備を購入した場合、初年度の償却資産税は30万円弱となります。おそらくランニングコストとしては一番大きい費用です。償却資産税は年々減少しますが、太陽光発電施設の償却期間は17年間ですので、合計で数百万は納税しなければなりません。これは利益が出ようが出まいが払わなければなりません

 太陽光発電を個人事業主として行われる方は中小企業経営力強化申請をすることで償却資産税を3年間半額に減税することが可能ですので、これは税理士や販売業者にお願いするなりして確実に実施しましょう。

 償却資産税は地方税ですので、申告しなければバレないとして申告しない人もいるそうですが、見つかったら過去5年に遡って請求されることになります。よからぬことを考えるのはやめましょう。

 なお、土地を購入される場合にはその土地の固定資産税もかかります。野立ての太陽光発電を設置するような土地は資産価値も低いですので、数万円といったところです。

所得税

 太陽光発電の売電収入に対する税金です。
 青色申告などを用いることで、65万の所得控除が可能ですので、青色申告は必須です(個人事業主の場合)。
 青色申告であれば、所得税はそれほど大きな額とはならないでしょう。 

保険費用

 太陽光発電投資をする場合、保険は必須だと僕は考えています。

 2018年は台風の直撃などにより、太陽光発電施設が根こそぎふっとばされるというような事態も発生しています。FIT法成立時に乱立した業者の一部が利益に目が眩み、本来設置すべきでない場所に太陽光発電を設置したり、手抜き工事を行ったことが原因です。

 これらの業者から買わないことはもちろんですが、そうでなくても落雷やいたずらなど、太陽光発電にはリスクが伴います。リスクがあるのは投資なので当たり前ですが、保険で回避できるところは回避すべきです。

 優良な販売業者であれば保険をセットで販売しています。下のメンテナンス費用と合わせて概ね20万くらいしますので、少しでも利回りを上げたい方は保険に加入しない方もいますが、リスクの方が大きいと僕は思います。

 台風がくるたびにビクビクしたくないですしね。

メンテナンス費用

 優良な業者はメンテナンスもセットで販売しています。

 メンテナンスは設備のトラブル時の対応と、年1度を基準とした草刈りがセットになっているのが一般的です。

 僕のように普通の人は電気系のトラブルに対処できませんし、毎年太陽光発電所の草刈りに行く暇もありません。

 メンテナンス契約は結んでおく方がよいでしょう。

税理士費用

 多くの方は個人事業主もしくは法人化して太陽光発電投資をされますが、売電で得た収入に対する確定申告を行う必要があります(家庭用は売電額が少ないので基本不要です)。

 僕のような普通のサラリーマンには太陽光発電の確定申告はハードルが高いため、税理士にお願いすることになります。これに約10万からかかります。

 ただ、太陽光発電は単純なビジネスモデルであるため、おそらく慣れれば自分でできると思いますので、僕も2年目からは自分で確定申告もやってみるつもりです。

パワコン費用

 太陽光発電にはパネルとともにパワコンが必要です。
 パワコンはパネルが発電した直流電気を電力会社に送る交流電気に変換するのですが、これの電気代がかかります。
 自分で発電しているので変な感じがしますが、これに年1、2万かかります。

 また、概ね10年で更新が必要とされており、更新時には50万ほどかかります。

太陽光発電のランニングコストまとめ

 太陽光発電投資に必要な毎年かかる費用を整理します。
 ・償却資産税(17年間、中小企業経営力強化により最初3年は軽減措置可)
 ・固定資産税(土地購入の場合)
 ・所得税(青色申告により軽減可)
 ・税理士費用(確定申告 等)
 ・保険、メンテナンス費用(トラブル対応、草刈り等)
 ・パワコン費用(電気代、10年時更新)
 ざっくりですが、2,000万規模のもので年間約30〜50万はランニングコストがかかるとみています。

 もちろんですが、これに信販なりのローンの返済が必要です。おそらく15年ローンの場合最初の10年は利益はほとんど出ないか、むしろ赤字となる可能性が高いと思います。

太陽光発電の期待収支は?

 これは僕がいろいろ考えて計算してみた予想です。

 ものすごくざっくりですが、2,000万くらいの物件の場合、

 ・20年の売電収入は約4,000万
 ・2,500万のローン返済
 ・1,000万のランニングコスト

 すなわち20年かけて約500万の利益、あわよくば1,000万、太陽光投資の旬を過ぎた出遅れ組としてはこれがよいとこじゃないかと考えています。

 2,000万の初期投資リスクに見合うか見合わないかは意見が分かれるところだと思いますが、それでも僕は土地価格変動や空室リスクのある不動産投資よりは魅力的に思います。

 キャッシュフローでみると、年25万の黒字です。

まとめ

 今日は太陽光発電を検討されている方に向けて、見積もりのチェックポイントとランニングコストの内訳をお伝えしました。

 太陽光発電は表面利回りには現れない部分に目を向け、キャッシュフローで考えることが大切だと思っています。これは野立ての太陽光発電投資も、家庭の屋根にとりつける太陽光であっても同じです(家庭用の場合、個人事業主化する必要はないので税理士費用とかは不要です。)。

 これらをゼロから考えることはなかなか難しいと思いますので、一番は、信頼できる業者を見つける、ということです。ある程度業者の目利きをしてくれて、複数の業者から相見積もりを取ってくれるサイトがありますので、安易によく知らない業者と話を進めず、検討段階でリスク回避をしていくことが大切です。