2018年現在、太陽光発電投資で日本政策金融公庫から融資を受けるのは難しいかもしれない

 太陽光発電投資を始められる方のほとんどが、設備代などの初期費用に銀行や信販会社等からの融資を考えられていると思います。僕は2基目の太陽光発電所の購入を検討しており、金利が優遇されると噂の日本政策金融公庫へ相談に行きましたので、そこで得た情報等をお伝えします。

 ちなみにここでいう太陽光発電とは一般の家屋の屋根に取り付けるものではなく、主に田舎の遊休地などを購入(もしくは賃貸)し、100kW級の低圧発電所を設置する、いわゆる野立て太陽光というものです。

 野立ての太陽光発電投資を始めるには概ね2千万円の初期費用を必要とします。キャッシュで準備できる人は少ないでしょう。

 太陽光投資を始める場合、多くはジャックス、アプラスといった信販会社もしくは銀行から融資を受け、約15年程度のローンを組む形となります。

 金利はトータルリターンに大きく影響を与えるため、僕は金利の優遇が狙えるという日本政策金融公庫からの融資にトライしました。
 
 まず結論からいうと、2018年現在、太陽光投資で日本政策金融公庫から融資を受けるのは難しい状況です。

 ただ、不可能ということはありませんので、申し込みを検討中の方は実際に公庫に相談にいった僕の体験を参考にしてみて下さい。

日本政策金融公庫とは


 日本政策金融公庫とは2008年10月1日付で設立された財務省所管の特殊会社であり、教育ローンから企業再生資金などさまざまな融資をおこなっています。詳しくはこちらをご参照下さい。
・日本政策金融公庫 融資制度一覧 へのリンク

 株式会社ですが財務省管轄ということで、半分国の銀行みたいなものなので、例えば教育ローンなんかはかなり低金利です。

 僕が利用を試みたのは、日本政策金融公庫の創業支援制度です。
 ・日本政策金融公庫 創業支援へのリンク

 日本政策金融公庫は個人事業や中小企業の創業支援に力を入れており、条件次第では比較的低金利で貸し付けてくれます。

 僕は開業届を出し、太陽光発電事業を個人事業主として行いますが、個人のまま、太陽光発電の収入を雑所得で処理しようとされている方は公庫からの借り入れは不可だと思われます。

申し込みには創業計画書が必要

 日本政策金融公庫の創業支援制度を利用する場合、創業計画書が必要となります。

 創業計画書の書き方、サンプルは公庫のHPにありますが、大きくは以下の項目を記入していくことになります。

1.創業の動機
2.経営者の略歴等
3.取扱商品・サービス
4.取引先・取引関係等
5.従業員
6.借入の状況
7.必要な資金と調達方法
8.事業の見通し

 ここで特に注意が必要なのが、1の創業の動機と、8の事業の見通し、の書き方です。

日本政策金融公庫は事業を支援するのが目的

 創業の動機と事業の見通しを書くにあたってこのことに特に注意が必要です。僕も勘違いしていました。

 公庫は投資にお金を貸すところではありません。事業を支援するのが公庫の目的です。

 発電シミュレーションや保険によるリスク回避などの資料を準備し、如何に太陽光発電が投資として安定しているかを説明しても会話は噛み合いません。そもそも視点がズレているのです。

 創業の動機に投資目的と受け取れる内容を書くと審査はほぼ通らないでしょう

 ただ、どう言い訳してみても実態は「投資」であることは明らかなので、これはきっとテクニックの問題です。

 再生エネルギーの普及は国策への貢献という大義名分を切り口に、公庫が納得するロジックを考えていくのが良さそうです。

 公庫が融資を行うかどうかを判断する際に重視するポイントは以下とのことでした。

事業の新規性

 新規性のあるサービスであるほど融資の条件としては良くなるそうです。

 公庫の相談窓口の方によると、太陽光発電投資に対する融資の申し込みはかなり多いらしく、数年前と違い今では事業の新規性という観点でかなり通りずらい状況だそうです。

 特に太陽光発電は基本ほったらかしで、それが魅力なのですが、個人の裁量による収益力向上の余地がほとんどないというのも公庫の融資対象としてマイナスポイントです。

 ちなみに、この点で不動産投資の方が融資が通りやすいとのことでした。マンション経営などは事業者がいろいろ努力する余地があるからです。

 ただ単に太陽光発電所を持つというだけでなく、それを通じて新たな価値を生み出す、そういうロジックの準備が必要です(その答えは今現状僕も持ってません)。

事業の発展性

 
 事業の発展性という観点でも太陽光発電は苦しいです。基本的には発電して売電する、これだけですから。
 
 FIT法による20年固定買取価格制度の後、太陽光発電の出口戦略を考える必要があります。

税理士をつけるのがほぼ必須

 太陽光発電で公庫の融資を受けようとする場合、税理士が付いているかいないかで審査の通りやすさが段違いとのことでした。

 公庫の担当者の口ぶりからすると、融資審査を通りやすくする方法というか、説明の仕方があるのだと思います。

 上のとおり太陽光発電への融資はかなり通りづらい状況です。

 太陽光に強い税理士さんもいますので、そういう事務所と顧問契約を結べば適切にアドバイスがもらえると思います。

借り入れの条件、利率は?

 借り入れの条件が僕にとってはかなり厳しいと感じました。

20%以上の自己資金

 審査での総合的な判断で融資条件が決まりますので一概には言えませんが、基本的には、最低でも20%程度の自己資金が必要とのことでした。

 2千万の物件であれば400万です。

 この時点で大分僕の心は折れはじめています。

担保の設定

 担保の有無は利率に効いてくるそうですが、基本無担保は不可、のようです。

 これは持ち家(もしくは投資用マンション)が無いと融資を受けるのが困難ということです。

 太陽光発電設備そのものは担保としての価値はほとんどなく、土地も田舎の遊休地などがほとんどですので、価値はゼロに等しいです。

 家を持たない僕は実家を担保にしようと親に相談しましたが、怒られました><。

 これで僕は公庫からの融資を諦めました。

ローンの利率

 僕の契約した1基目の太陽光発電所はJACCSでローンを組んで購入したのですが、15年固定で2.2%、20年固定の場合は2.6%でした。

 公庫ではもっと低い金利を期待したのですが、担当者いわく、今、太陽光発電に対しては信販等と比べてすごく魅力的な利率は提示できないだろうとのことでした。

 担保がローンの100%以上の価値があったり、中小企業経営力強化申請等を駆使すればより優位な条件でローンが組めるとは思います。

 僕は上の担保問題が解決せず、結局申し込みに至りませんでしたので、実際の利率の提示は受けていませんが、少なくとも1%台前半とかで借りることは出来なさそうだな、と思いました。

公庫もお金を貸したがっている

 最後になりますが、これは感じました。貸したがっています。

 この超低金利時代にあり貸す側も量を出さないと利益が出ません。
 
 投資ではなく事業として公庫が納得するロジックを組み、20%程度の自己資本と担保が用意できれば、間違いなく公庫から借り入れすることはできるだろうと思います。

まとめ

 今日は僕が2基目の太陽光購入に向けて公庫に相談に行った結果をお伝えしました。
  
 太陽光発電投資、失礼、太陽光発電事業に興味をお持ちの方で日本政策金融公庫の利用を検討されている方の参考になれば幸いです。ただし、借り換えは不可ですよ。公庫は民間企業の仕事を奪うようなことをしてはいけないからです。

 2018年現在は、太陽光発電に対する融資のハードルが大分あがっていると感じましたが、公庫の担当者はすごく親身になって話を聞いてくれました。条件がある程度合致しそうな方は一度相談に行ってみるとよいと思います。