JPX400に新たに追加された銘柄の株価は翌日どうなった?新規追加26銘柄の株価を全部調べてみた

 2018年8月7日の引け後に、JPX400の定期入れ替えが発表されました。JPX400に採用されるということは、簡単にいうと優良企業に認定されたということです。発表直後の株価がどう反応するのか気になり、新たに追加された26銘柄全ての翌日の株価を追ってみました。

JPX400とは

 JPX400は2014年に作られた比較的新しい株価指数です。
 株価指数としては有名なところでは日経225やTOPIXなどがあげられます。日経225が225社で構成されるようにJPX400は400の銘柄で構成されます。

 同指数を設けた目的について、日本取引所グループによると、資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点など、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たした、「投資者にとって投資魅力の高い会社」で構成される新しい株価指数を創生する、とされています。

 日経225の銘柄が株の売買代金が基準に選定されているのに対し、ROEや営業利益など、企業のファンダメンタルズが採用基準として用いられていることが特徴的です。

 日本取引所グループのHPを参考に、概要を簡単にまとめたのが以下の表となります。

名称 JPX日経インデックス400
(略称:JPX日経400(JPX-Nikkei 400))
算出者 日本取引所グループ及び日本経済新聞社
構成銘柄数 400銘柄
対象銘柄 東証一部、二部、マザーズ、JASDAQ
銘柄選定及び
銘柄入替方法
以下を考慮した上位1000社から400社を選定
・ROE(株主資本利益率)
・営業利益
・時価総額
算出方法 浮動株調整時価総額加重型
算出開始日 2014年(平成26年)1月6日(月)

JPX400の構成

こちらも日本取引所グループからの引用です。

東証一部 東証二部 マザーズ JASDAQ
394 1 1 3

 400銘柄のほとんどが東証1部に上場する企業です。個人投資家に人気とされる中小型株を中心とした選定というわけではなさそうです。

 JPX400を構成する銘柄は毎年8月に定期的な入れ替えが行われます。

 今回追加された26社は全て東証1部の企業でした。

JPX400に新規追加された26銘柄の翌日の株価はどうなった

 前置きはこのくらいにして、今回の記事の主目的である、翌日の株価がどうなったかをお伝えします。
 8/7の引け後に発表されましたので、8/8の終値を一件一件調べました。

コード 企業名 8/8終値 8/7終値 前日比
1333 マルハニチロ 3,785 3,820 -0.92%
1820 西松建 2,749 2,810 -2.17%
2201 森永菓 4,745 4,970 -4.53%
3197 すかいらくH 1,628 1,629 -0.06%
3436 SUMCO 2,387 2,371 0.67%
3626 TIS 5,210 5,190 0.39%
4004 昭和電工 5,170 5,320 -2.82%
4324 電通 4,800 4,825 -0.52%
4849 エン・ジャパン 5,100 5,100 0.00%
4927 ポーラ・オルビス 3,925 4,025 -2.48%
5019 出光興産 5,170 5,200 -0.58%
5020 JXTG 814 839 -3.06%
5021 コスモエネルギー 4,035 4,040 -0.12%
5393 ニチアス 1,476 1,466 0.68%
5801 古河電気工業 3,885 3,690 5.28%
5975 東プレ 2,919 2,879 1.39%
6028 テクノプロ 7,340 7,380 -0.54%
6098 リクルート 3,056 3,106 -1.61%
6269 三井海洋開発 3,515 3,395 3.53%
7550 ゼンショー 2,341 2,499 -6.32%
7974 任天堂 37,120 37,240 -0.32%
8056 日本ユニシス 2,747 2,801 -1.93%
8252 株式会社丸井 2,319 2,297 0.96%
8283 PALTAC 6,250 6,150 1.63%
9508 九州電力 1,259 1,272 -1.02%
9697 カプコン 2,963 2,964 -0.03%

 

 任天堂やリクルートなどはとっくに採用されていると思いましたが2018年から採用なのですね。

半数以上が値下がりという事実

 意外な結果ですが実に半数以上の17社が前日比でマイナスとなっています。

 株価が動意付いてストップ高になるのではないか?と期待したホルダーにとっては肩すかしの結果です。

 ちなみに8/7の日経平均の終値は22,662円、8/8が22,644円です。
 米中の貿易摩擦が懸念される中、日経平均は弱い株価推移をしていますが、この日に限ればそれほど悪い相場という訳ではありませんでした。

株価は結果でなく期待で動くもの

 これはつくづく感じていることですが、株価は結果ではなく期待で動くものです。

 よく、折り込み済みという表現が使われますが、今回追加された銘柄も数ヶ月前から様々なところで予測がされていました。上記の銘柄のほとんどは年初来でみると株価が上がっています。既に先取りされていたともいえます。

 市場のサプライズを伴うものであれば大きく上昇するでしょうが、当然それを事前に知る術はありません。

まとめ

 今日は2018年に新たにJPX400に採用された26銘柄の翌日の株価について調査してみました。

 結果は半数以上下落というもので、上昇した銘柄で最大は古河電気工業の5.28%でした。

 今回の調査で、こういう指数組み込みの発表翌日に焦って株を買っても意味がない、ということが分かりました。さらに言うと株価が上がったとしても、朝の寄り付き時点で既に上がっていますので、高値掴みの懸念の方が大きいです。

 ただ、JPX400に採用される銘柄はROEや営業利益などが良いという実績がある銘柄であることは間違いないため、このような新規採用銘柄の中から投資対象を発掘していくのも面白いかもしれません。

 僕は上記の中では年初から大きく株価が下落しているSUMCOに注目しています。