NSD(9759)は独立系システムインテグレータで、大企業向けのシステム開発、ソフトウェア開発に定評があり、IT化ニーズを背景に近年業績を拡大し株価も堅調です。また、株主還元に積極的なことで有名で、配当性向も高く株主優待も魅力的な銘柄です。
NSDとは|中堅の独立系SIer
元は日本システムディベロップメントという社名で、創業は1969年と実は歴史のある会社です。
同社は3000名以上のSEを要する技術者集団で、独立系のシステムインテグレーターとしては中堅くらいに位置しており、同業の大手では大塚商会やオービックなどが挙げられます。
生産効率向上や省人化推進など、企業のIT化ニーズを背景に新しいシステム構築への需要が増え続けており、同社をはじめとしたソフトウェア開発関連の会社は急速に成長しています。
同社の強みは独立系であるためメーカー系SIerのように親企業の業績に左右されないこと、また歴史もあり取引先がメガバンクなどの大手であることが挙げられます。
大手が取引先だと安定した売上が継続することが期待できます。
システムというものは技術ノウハウがユーザーごとに蓄積されていくため、大きくなればなるほど他社が新規参入するのが困難だからです。
同社のIR資料によると最大の取引先は日立製作所で、売上げが全体の10%程度です。
大手相手かつ1つの会社に依存しすぎていない事業形態であることが分かります。
また、社員の95%がエンジニアということで、これも高い収益性が期待できます。
企業が大きくなるとスタッフ、管理部門の比率が高くなり、生産効率は低くならざるを得ないためです。
僕好みの確かな技術に裏付けされた安定した市場確保が期待できる事業形態です。
NSDの株価推移
NSDの株価推移をマネックスより引用します。
過去5年のものですが、きれいな右肩上がりを描いています。
この業界の全般動向として、クラウド化やフィンテックなど、IT系のテーマ株としてソフトウェア開発関連銘柄ここ数年注目を浴びていました。
ただ、市場の興味は別のものに移り始めているよう見え、例えば同じ独立系SIerのコムチュアの株価は下図のように2016年後半から急騰しましたが、2018年に入ってからはお祭りあとの相場みたいになっています。
NSDの株価は比較安定した推移を見せていますが、IT関連テーマ株の旬は過ぎているため、企業のファンダメンタルズがしっかりしていないと投資に踏み切るには危険な業種と言えるでしょう。
ファンダメンタルズ分析
まずは昨年度決算と今年度の見込みです。
同社のIR資料とマネックスの企業情報をもとに作成しています。
なお、PER等は2018年7月現在の株価2497円で算出しています。
2018年3月期 | 2019年予想 | 単位 | |
売上高 | 58,080 | 60,000 | 百万円 |
経常利益 | 8,119 | 8,200 | 百万円 |
ROE | 12.1 | 11.8 | % |
1株利益 | 126.8 | 131.5 | 円 |
1株配当 | 52.0 | 54.0 | 円 |
配当利回り | 2.14 | 2.17 | % |
PER | 19.08 | 倍 | |
PBR | 2.23 | 倍 | |
自己資本比率 | 83.9 | % |
ROEも10%を超えており収益性良く、自己資本比率も80%以上と倒産の危険性もありません。
PERは業界平均をちょっと下回る程度ですので、現在は割安というほどではありません。
次に同社のIR資料から売上げ高と営業利益の推移です。
過去数年に渡り業績が拡大しているのが分かります。
これを見ると上の業績予想は若干保守的にも見えます。
上振れ期待大です。
株主への積極還元も魅力
同社は配当性向を40%以上としており、日本の企業には珍しく株主還元に積極的です。
配当金が2%に株主優待もおそらく1%くらいの価値がありそうなので、合計で3%くらいの利回りがありそうです。
・配当
来年は創立50周年ということもあり、配当の増額を予定しています。
・株主優待
株主優待は保有年数に応じたポイントで商品を選択できます。
まとめ
今日は独立系SIerのNSDについて分析してみました。
事業環境は良好、ファンダメタルズも問題なし、株主を大切にしている会社であり、中長期保有に向いていると思います。
僕は去年から同社株を保有していますが、今日整理してみて改めてこの銘柄は継続保有することにしました。
ちなみに同社は働き方改革にも積極的に取り組んでいて、ホワイト500企業にも選定されています。
独立系のSIerは優秀な技術力を持つ人材こそが宝ですので、社員を大切にする方針が伝わってきます。
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