建機メーカー世界2位のコマツの株価は今が買い時?|キャタピラーと比較しながら分析してみた

久しぶりに長期保有したい銘柄に出会いました。建機メーカーのコマツです。今日は僕がコマツ株を購入するに至った考えを同業メーカ世界1位のキャタピラーとの比較を交えて書きたいと思います。年初から株価が大きく下落しており、僕は押し目買いに良いタイミングとみました。

世界2位の実力、日本を代表する建機メーカーのKOMATSU


小松製作所というとあまり馴染みがない方が多いかもしれませんが、上の写真を見ればなんの会社か一発で分かるでしょう。

KOMATSUと書かれたショベルカーなどは誰しも一度は目にしたことがあると思います。

Wikipediaによると建設機械における日本でのシェアは1位です。

ドメスティックな企業と思いきや、なんと日本での売り上げは全体の14%程度であり、ほとんどが海外での売り上げというかなりグローバルな企業です。

下図は同社の決算資料からの抜粋ですが、近年は同社が「戦略市場」と位置付けているアジア・中南米をはじめとする新興国での売り上げが50%を超えています

これからの成長が期待される新興国とともに発展していくという同社のスタンスがよく分かり、この時点でかなり好感を持っています。

一番右のKMC含むとあるのは、同社が2017年に買収した米国大手鉱山機械メーカーのジョイ・グローバル社の売り上げを含めたものということです。

絶対王者、キャタピラーとの比較

コマツは世界シェア2位です。

となると気になるのが1位ですが、世界1は建機業界の不動の絶対王者ことキャタピラーです。

ダウ30種を構成する超巨大企業であり、トランプラリーの立役者の筆頭銘柄です。

もしキャタピラーの方がよさそうならそちらの株を買いたいと思います。

先に結論を書くと、僕はコマツの方が良いと考えています。

下表に比較結果を示します。コマツは2017年度決算資料、キャタピラーは2017年の決算情報をもとに、直感的に理解できるよう1ドル100円換算でまとめたものです。なお、ROEは見つけれなかったのでEPS/BPSで計算しました。

コマツ Caterpillar 単位
 売上高 2,501,107 4,550,000 百万円
 経常利益 291,807 408,200 百万円
 ROE 12.1 5.5
 1株利益(EPS) 208.0 127
 配当利回り 2.3 2.01
 PER 17.55 42.27
 自己資本比率 49.40 17.8

この表から分かることは、売上高はキャタピラーがコマツの2倍弱あるが、コマツの方がより利益体質だということです。

割安性を示すPERは2倍以上の差があり、日本と米国、国そのものの成長性の差を加味しても、コマツの方が現在は割安であると見ることができると思います(ざっくりですが、日本企業はPER15倍以下、米国企業は20倍以下が割安の指標となります)。

キャタピラーは自己資本比率がやや低めなのも気になります。

キャタピラーは売り上げもここ数年横ばいで、昨年度はROEがマイナスになるなど、正直なぜこんなに株価が上がっているのか僕には理解できません。

トランプの公共工事増加政策への期待?でしょうか。いずれにせよキャタピラーは買うタイミングではないと結論付けました。

また、コマツの配当利回りは2.3%と日本企業の中では結構良く、割安な今は配当金狙いも悪くないです。

コマツの株価推移

上の図がここ半年の株価推移、下が10年のものです。

この半年でみると、今年に入って起こった下落相場の余韻が大きく、日経平均は24,000円から20,500円まで落ち、現在23,000円付近まで回復したのに対し、同社の株価は4,500円から3,500円へと急落したまま回復の波に乗れていません

10年でみると、3,000円という壁を昨年突破したという感じです。

現在のPERも15倍以上で、チャートからももう少し下がってから買いたいところですが、以下の理由あり僕は購入しました。

僕がコマツ株を買った理由、業績の上振れが期待できる

ここまであれこれ書きましたが、僕がコマツの株を購入しようと思った直接のきっかけは同社の2018年3月期決算資料にあった、次期の見通しの部分です。以下に抜粋します。

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戦略市場※を中心に引き続き需要が堅調に推移することが見込まれる一方、円高の影響により、売上げはほぼ横ばいとなる見通しです。利益については、円高の影響が見込まれるものの、2017年4月に買収したジョイ・グローバル社(新社名:「コマツマイニン グ(株)」)の買収に伴う一時費用の影響が少なくなることなどから、増益となる見通しです。
本業績見通しにおける為替レートは、1米ドル=100円、1ユーロ=123円、1人民元=15.8円を前 提としています。
※コマツにおける「市場」の位置づけ
伝統市場:日本、北米、欧州 戦略市場:中国、中南米、アジア、オセアニア、アフリカ、中近東、CIS
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特に太字にしたところに注目です。

まず売り上げ横ばいと見ていますが、少なくとも今年度は新興国市場をはじめとしてかなり伸びており、今後の上方修正に期待したいです。

また、業績見通しの為替レートは100円です。これはかなり保守的な見立てだと思います。

仮に今年いっぱい110円で推移したとすると、海外売り上げ比率が高い同社の売り上げもかなり底上げされることになります。

為替差益は直接純利益に結びつくため、ここはかなり期待できると思います。

これらは現在の株価に折り込み済みなどと言われるかもしれません。

実際IFISコンセンサスも上振れするだろうと予測しています。

それでも、3,500円前後の今の株価は割安だと僕は思います。

まとめ

今日は僕が期待する銘柄のひとつであるコマツの業績や今後の見通し、株価の状況について分析してみました。

僕は3,800円くらいのところで買って、さっそく3万くらいの含み損を抱えています(ここ最近の高値つかみです。相変わらずセンスない取引きをしています)。

世界情勢敏感株である日本株においてさらに為替敏感な輸出系企業は日々の値動きが大きいです。

この理由から僕は今まで輸出系株はほとんど持ってなかったのですが、上で書いた理由からコマツは1年くらいはがっちりホールドするつもりです。

1番の懸念は、キャタピラーの株価が下がると同業もみんな連れ安になるという、よく分からない市場原理です。

キャタピラーは割高のためいつ下がってもおかしくないと思っていて、これに巻き込まれるというのが怖いですので、トランプ政策の公共事業に対する方向性とキャタピラーの株価の反応とか、その辺りの市場の雰囲気はなんとなく注意して見ていきたいと思います。