億り人には絶対なれない銘柄の選び方|それでも僕が大型割安株を選ぶ理由

僕のようなへっぽこ投資家とは違い、近年投資で1億円を稼ぐ人、いわゆる億り人と呼ばれる人が多数現れ注目を集めています。僕は投資を始めて1年ちょっとですが、これらの仲間入りはできないと確信しています。今日はそんな僕の銘柄の選び方をご紹介します。

僕は今まで投資本を読んだことがありません。

習うより慣れろで口座を開設した直後に株を買いました。

当時考えたのは大企業でかつ割安な銘柄を買うということで、そのスタイルは今でもほとんど変わっていません。

そしてこのやり方では間違いなく億り人にはなれないということが身をもって分かってきました。

もし投資でセミリタイヤや億り人を目指している方は下記のやり方を逆の意味で参考にしてみて下さい。

僕の投資スタイル


僕は基本的に1度株を買ったら数か月から半年は保有します。どちらかというと中長期型の投資スタイルです。

例外としてコンプライアンス絡みの不祥事や、決算があまりにも悪い時は売却します。

また、ちょっと波に乗ってやろうとギャンブルと自覚して購入するものは数週間以内に売却します。スイングトレードと呼ばれるこの売買は、全く、うまくいってません。僕にはセンスがないと気付きました。

基本的に大企業を買う

僕は大型株(大企業)を好んで選びます。そしてこの時点で株で短期間に大成功することはありません。

成功している個人投資家たちはむしろ中小型株を扱っている人が多いです。

毎日ストップ高やストップ安を演じるのも中小型株がほとんどで、この荒波を上手に渡る天才的センスがある人達がいます。

下図はマザーズに上場する串カツ田中の株価推移です。わずか半年で7倍になって、またその後半年で半分になっています。ちなみにライザップも同じような株価推移をしています。

このような相場に僕なんかが参加しようものなら一瞬でケツの毛も抜かれて退散するのが目に見えています。

これに比べて大型株の値動きは比較的ゆっくりで、僕のように月に1度見直すかどうかの基本ほったらかしの投資家に向いています。

時価総額が大きい会社=1,000億以上が望ましい


大型株の条件として僕は時価総額が1,000億円以上の会社かどうかをひとつの判断基準にしています。

1,000億以下の会社でも買うことはありますが、他の条件を厳しくします。

マネックスのスクリーニングツールでこの条件をセットすると約1,000企業がヒットします。条件なしで約4,000企業なので、この時点で1/4に絞り込むことになります。

自己資本比率が高い会社=40%以上が必須

自己資本比率が高い会社は倒産の危険性が少ないといえます。一般的に自己資本比率が40%以上であれば安全圏と言われており、これは僕が株を選ぶ際の必須条件としています。

割安な株を買う

割安株とはざっくりいうとその会社の価値に対して株価が低い状態にある株のことです。

割安性を判断する指標としてPER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)が有名ですが、僕はPERを参考に使っています。PERの求め方は下記のとおりです。

 ・PER = 株価 ÷ 1株あたり利益(EPS)

分母が利益なので、利益が大きい程PERは低くなります。

気をつけたいのはPERという数字がまずあるのではなく、上の式のとおり株価とEPSから求められるということです。

僕は昔このことも知らずにPERという数字を見ていましたが、その数字がどういう意味を持つものかを覚えておいた方がよいと思います。

PERの低い銘柄=目安20倍以下

PERは低い方がベターで日本企業では一般的には15倍以下が割安と言われていますが、僕は20倍以下をひとつの基準としています。

これでスクリーニングすると約2,500社に絞られます。

ただし、僕はPER自体は参考程度に考えていて、株を買うかどうかの判断基準としては低めです。

PERは業種ごとで平均値が違う

PERは同じ業種の銘柄と比べなければ意味がないとよくいわれます。

例えば建設業の平均PERは10倍ちょっとで、医薬品業種は平均25倍だったりします。

PERだけで見ると建設業種の方が医薬品業種より株価が上がりやすいとなってしまいますが、当然そうとは限りません。

個人的には業種でくくるのではなく、銘柄個別に見ていく必要があると思っています。

成長が期待される銘柄は高いPERでも市場に許容されます。

米国株ですが、飛ぶ鳥落とすアマゾンなんかはPERが300倍ですが株価は上昇し続けており、PERはその会社の成長性を合わせて考えて初めて意味のある指標だということを示すいい例だと思います。

PERだけで絞ってしまうと成長性の高い銘柄を除外してしまうことにもなりますので、僕は買われ過ぎの銘柄を除外するためくらいに使っています。

利益率の良い会社を買う


利益率をみるために使っている指標がROEとEPSです。経常利益や純利益は会社の規模で額が大きく変わるため、これらの指標を参考にしています。

ROE(株主資本利益率)が高い会社=ROE 10%以上が望ましい

ROEは株主資本利益率といって以下の式で求められます。

 ・ROE = EPS(1株当たり純利益)÷BPS(1株あたり純資産)

ROEが高いということは株主の資本を使って効率的に利益を生み出しているということで、特に会社は株主のものという意識の強い外国人投資家が重視するといわれています。

ROEは10%以上であれば一般的に優秀とされており、以下のとおり上場4,000社中1,500社がこれに該当します。

固定コストが大きい大企業や製造業のROEは低くなりがちなので、これも単独ではなく総合判断の材料として見ています。

EPS(1株当たり純利益)が伸びている会社

EPSとは1株当たり純利益といって以下の式で求められます。

 ・EPS = 当期純利益 ÷ 発行済株式総数

僕は最近はROEよりもEPSをどちらかというと重視しています。

ROEは財務レバレッジをかけるなどである程度コントロールできたりするらしく、ROEだけでは企業の実態を掴めませんし、そこを紐解く知識もなければ時間もありません。

一方でEPSは上の式のとおり単純で、同じ純利益であれば株主が少ない方が価値が高そうだというのはイメージがつくと思います。

僕はEPSが順調に伸びている会社かどうかをチェックしています。

上で書いたとおりEPSはPERを求める際の分母となる数値です。これが伸びるということは、株価が上がってもそれを吸収するということです。

EPSはいくら以上が優良という一般的指標はないようですが、僕は100円以上はあって欲しいと思っています。

なんというか、EPSが低い株はペラペラで価値が低い気がしています。

PER、ROE、EPSは上で示したとおりお互いの算出に使っているため、どれかの指標で判断すればよいと思われるかもしれませんが、あえて個別に見ることでそれぞれの関連性をより理解することができます。

業種をある程度絞る


僕は上で書いた指標を利用するとともに、銘柄選びでいくつかのポリシーがあります。

事業内容が分かりやすい会社

一つは事業内容が素人にも分るということです。何を商売の軸としているかが明確な会社しか買いません。

指標ベースで興味を持った会社は必ずその企業のHPのチェックと、IR情報を確認します。

ここでその会社がどういった事業で儲けているのかを確認し、そのビジョンに同意できるかが僕にとっては大事です。

株は半分は損する覚悟ですが、何してるかよく分からない会社の株を買って損した、となると悲しすぎるからです。

買わないと決めている業種

僕はいくつか買わない業種を決めています。半分は、嫌いな業種ということです。

・金融業
超低金利時代において利息が主収入の銀行関連事業が発展すると思えません。

その割には新幹線通勤が許される社員がいたりしてたりとか(知人がそうでした)、時代に適応する気もないエリート気取りの集団は、滅びればいいんです。

・不動産業
今後人口が激減し続ける日本において不動産業に未来はないと思っています。

あと、不動産業者の営業の人は、だいたい僕が嫌いなノリの人が多いのも理由の一つです。

・鉱業
製造業には頑張って欲しいのですが、鉄鋼関係事業に僕には明るい未来を見出せません。

・保険業
保険には悪いイメージしかありません。

母親が損はしないと説得されて加入した保険の上がり続ける保険料に耐え切れず解約しました。条件を理解してない方が悪いと言われればそれまでですが。

 
・石油石炭製品

僕は米国株(英国株)の石油メジャーであるRDS.Bを保有していますが、脱資源エネルギーの流れの中、この業界も将来的には苦しいでしょう。

設定6を彷彿とさせるチャート

最後になりますが、これはギャンブラーとしての感覚というか、チャートをスランプグラフと思って見てもらえばギャンブルをする人には分ると思います。

下図は日東電工の過去10年の株価推移です。

そそりませんか?こういうスランプグラフのスロット台が空いていれば僕は迷わず座ります。

まとめ

思ったより長くなってしまいましたが、僕の銘柄選びをまとめると以下のようになります。

 ・時価総額 1,000億以上が望ましい
・自己資本比率 40%以上は絶対
・PER 20倍以下が望ましい
・ROE 10%以上が望ましい
・EPSが伸びている会社であること
・事業内容が分かる会社であること
・嫌いな業種は買わない
・ギャンブラーとしてそそるスランプグラフであること(最重要)

一言で言うと、保守的、だと自覚しています。

このような投資のやり方では決して億り人にはなれません。

それでも僕は比較的ローリスクと思われるこの投資方針をしばらくは続けます。

しばらくは、としたのはこの銘柄の選び方は日経平均が上がる前提の投資手法だと思うからです。

逆説的ですが、大型株は日経平均の影響を強く受ける銘柄が多く、日経平均が下がると個別の業績云々関係なく、みんな揃って下落します。

日経平均がこの先も上がり続けるなら有効な投資法たりえると思いますが、正直、もってあと数年、という風に考えています。

・個別株はリスクが高くて怖いという方に向けた投資信託の選び方です。