太陽光投資を始める前にこれだけは知っておきたい|野立て太陽光投資の特徴とメリット・デメリット

 僕は今太陽光投資を考えています。というか、すでにかなり話を進めています。僕が太陽光投資を検討しはじめたのは昨年末くらいでしたが、決断に至るまでの情報収集にかなりの時間を要しました。今日は僕が当時知りたかった太陽光投資の特徴とメリット・デメリットを簡単にまとめたいと思います。

 なお、ここでいう太陽光投資とは、いわゆる野立て太陽光と呼ばれるもので、体育館くらいの土地と太陽光パネルをセットで購入するものでかつ、低圧(50kW未満)のものを対象としています。

 50kW以上となると電気事業法上の取り扱いが変わります。物件を調べていてパネル出力が100kWとかあっても、パワコン出力が50kW未満であれば、低圧案件です。僕たちのような個人が手の届くものは基本低圧です。

野立て太陽光投資の特徴


 太陽光投資とは太陽光発電をして、その電力を東電や関電のような電気事業者に買い取ってもらうという、いたってシンプルなビジネスモデルです。

 日射量は土地の条件が変わらない限り(目の前にビルがたつとか)、季節変動はありますが、1年を通してみると発電量もほぼ一定であることが期待されます。

太陽光発電投資のメリット

 僕が考える太陽光投資のメリットを不動産投資との比較も交えお伝えします。

メリット1|固定価格買取制度(FIT法)による安定した売電収入

 太陽光投資が安定した投資と言われる理由はFIT法による固定価格買取制度です。

 これは当時の民主党政権が再生エネルギー促進のため制定したのですが、20年間、太陽光発電で発電された電力を固定で買い取るという、「法律」です。

 法律で20年間の売電価格が守られるということです。

 不動産投資の場合、空室リスクがありますので、安定した収入という観点でローリスクであるというのが1番のメリットです。

メリット2|手間がかからない

 太陽光投資は基本ほったらかしで良いというのが2つ目のメリットです。

 不動産投資であれば、住民のトラブル対応や空室が出たら営業強化したりなど、管理人業務が必要です。

 これに比べると太陽光投資ははるかに手間がかかりません。

 いたずらや災害による破損等の可能性がありますが、フェンスを設置することが義務付けられているため、そうそういたずらされることもありませんし、これらは保険に加入することで回避できます

 また、電気系統の故障などのトラブル対応や、定期的な草刈りなどはメンテナンス契約に加入すれば対応してくれます。

 保険やメンテナンス契約は利回りを低下させるため加入しない人もいますが、手間はもちろんのこと、心の安定のためにも加入されることをおすすめします。

メリット3|税制の優遇制度を活用できる

 数年前はクリーン減税制度など、税制面でかなり優遇されていた太陽光ですが、年々これらも見直しもしくは廃止されています。2018年から太陽光投資をはじめる場合得られるのは以下の2つです。

 ・中小企業経営力強化申請により、償却資産税を3年間半額にすることができる。

 ・消費税還付制度により、設備購入費の消費税分がキャッシュバックされる。

 この2つは実施しないと損です。
 
 上の方は、税金の軽減措置です。例えば2千万クラスの太陽光発電所を保有すると初年度の償却資産税として30万くらい税金として納める必要があります。これが半額となりますので、結構利回りに聞いてきます。

 消費税還付は消費税課税事業者を選択することで受けられますが、これで100万近くキャッシュバック可能です。

 数年前は設備の一括償却などのもっと強い減税があったのですが、これらは改正され今はもうありません。

 これらの税務関係の手続きを個人で行うのは難しく、税理士さんにお願いすることになりますが、税理士費用を差し引いても得をしますので、必ず利用するようにしましょう。

太陽光発電投資のリスクとデメリット

 投資ですのでリスクとデメリットはあり、完全に回避することはできません。

 次に僕の考えるリスクとデメリット、その対策の概要をお伝えします。

リスク・デメリット1|ある程度の頭金と融資が必要

 規模にもよりますが、野立ての太陽光設備であれば、1千万から2千万程度は必要です。

 個人で太陽光投資をするには銀行なり信販会社なりでローンを組むことになります。

 ただし、以下のハードルがあります。

 ・土地代はローンが組めない。

 ・融資には基本担保が必要。

 まず太陽光発電に必要な土地代はローンが組めません。太陽光発電は田舎の遊休地を活用することが多いですが、それでも100〜200万くらいはします。これを現金で支払う必要があります。

 また、いかに低金利時代とはいえ、2千万もの大金をほいほいとは貸してくれません。

 家などを担保設定するか銀行であればその銀行に相当の預金を入れるなどの調整が必要です。

 ただし、JACCSとアプラスには無担保のソーラーローン制度があります。

 いくらか借りられるかはその人の社会的信用(勤めている会社など)によるところが大きく、これは実際に申し込みしてみないと分かりませんが、公務員などの安定した職種であれば太陽光1基分は借りられると思います。

 太陽光投資のデメリットの1つとして、そもそも投資を始めるハードルが高いことがあげられます。

 関連記事です。
・太陽光発電投資をはじめるのに必要な手持ち資金はいくら?
・2018年現在、太陽光発電投資で日本政策金融公庫から融資を受けるのは難しいかもしれない

リスク・デメリット2|太陽光パネルの劣化、破損

 太陽光パネルは機械ですので劣化します。発電量は年々低下するということです。

 太陽光発電自体は20年以上の歴史があり、設備も進化を続けていますが、年0.5%程度は発電量が劣化するとされています。

 太陽光の利回りは年々落ちていくことを前提に、FIT期間である20年の生涯収支をシミュレーションを業者に提示してもらいましょう。

 また、太陽光発電設備が壊れてしまえば売電収入はゼロ、毎月のローンは支払わねばならない、こうなるとそれこそ自己破産ものです。このリスクを回避するには保険に加入するしかありません。

 関連記事です。
・太陽光発電投資は表面利回りだけを見てはいけない|太陽光投資で失敗しないためのチェックポイント

リスク・デメリット3日射量が極端に落ちる可能性

 太陽が昇る限りは安定した売電が期待できる太陽光投資ですが、周囲に障害物などがあれば発電量は極端に落ちます。

 このリスクを回避するためには、将来も含めて障害物が立たない場所を選ぶ必要があります。

 現地確認は必須と言いたいところですが、太陽光設備は山奥や田舎にあることが多く、現地に足を運ぶのもなかなか難しいのが実態です。

 このリスクを回避するには信頼できる業者選びです。大手の比較サイトなどを活用することをおすすめします。

リスク・デメリット4|FIT法の改正

 太陽光投資を成り立たせているのは言うまでもなくFIT法による固定価格買取制度です。

 このFIT法ですが、ご存知のとおり売電単価が年々下がっています

 2018年は18円とFIT法が制定された2012年の半額以下の単価となっており、最近は太陽光投資のリスクやデメリットの方がクローズアップされています。

 一方で設備費用も同時に下がっているので、18円であればギリギリ投資としての価値があると考えています。

 なお、すでに認定されている設備のFIT単価は固定されていますので、すでに工事が進んでいる案件でFIT単価が確定しているものを購入するというのがリスク回避となります。

リスク・デメリット5|出力抑制

 太陽光発電にとって一番のリスクは出力制御ではないかと考えています。

 簡単に言うと電力の供給が十分足りている時には太陽光発電の電力を買い取りませんよ、ということです。これから原発が再稼働を始めればこのような事態は想定されます。

 ただし、再生エネルギー導入計画に対し多いに遅れている日本で、あまり無茶なことはしないだろう、というのが僕の見解です。
 
 関東電力・関西電力・中部電力の3つは現状出力制御を実施しないとしていますので、これらの管轄で購入されるのがリスク回避になると考えます。

 また、出力制御を対象とした保険もありますので、特に九州電力管轄で太陽光投資を検討されている方は保険への加入を検討された方がよいでしょう。

 関連記事です。
・太陽光発電投資の一番のリスクは出力制御かもしれない

太陽光投資のメリットとリスク・デメリットのまとめ

 太陽光投資のメリットはFIT法による安定した売電収入です。

 不動産投資の方がリターンは高いですが、空室リスクや不動産価値の低下などのリスクも高くなります。

 これに比べると太陽光投資はローリスク・ローリターンの初心者向けの投資だといえます。

 一方のリスク・デメリットとしては、まず投資をはじめるハードルが高いことがあげられます。これは相応の手持ち資金、ローンを借り入れるための社会的信用が必要ということです。

 太陽光投資をスタートしてからは機器の破損や出力制御などがあげられますが、基本は保険によるリスク回避が可能だと考えています。

 余程の天候不順でなければ年間を通じれば概ねシミュレーションとおりに発電するはずですので、FIT単価が大幅に下落する前の今であればリスクの低い投資だと僕は考えています。

最後に|野立て太陽光投資の期待値

 結局ここがどうなんだというのが当時の僕がもやもやしていたポイントでした。もちろん諸条件で変わりますが、ざっくりした結論を書きます。

 「2,000万円投資して3,000万へを20年かけて回収する」

 ことを目指します。1年あたり50万円のキャッシュフローを得るということです。