僕の保有するIBJ株がストップ安となりました。時期的に考えて決算の失望売りがきっかけであることは間違いないのですが、日本株について改めて色々と考えるきっかけとなったのでこのブログに書き留めておきたいと思います。
IBJは婚活銘柄です。婚活パーティのパーティパーティ(PARTY PARTY)を主催している会社と言えば分かる人には分かると思います。
僕は投資を始めた2016年から同社の株を最低単元の100株保有していました。IBJ株購入の経緯は以下に書いています。
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目次
IBJの事業
IBJの主力事業は婚活サイトの「ブライダルネット」や婚活パーティの「partyparty」などを運営している、いわば婚活関連銘柄です。
結婚をサポートする婚活事業を主軸としつつ、ウェディングや旅行事業で構成されるライフデザイン事業の2本柱の事業形態です。
晩婚化が進む一方で、生涯未婚でいるつもりはないという人が9割いるというデータが示すように、婚活産業は近年成長著しいと言えます。これは後に示す同社の株価推移が示しています。
婚活を事業とする企業は多くありますが、東証一部上場企業で婚活に特化した企業はおそらくIBJだけです。
僕は同社の株を投資を始めた2016年から保有し続けています。
IBJの株価推移
5/14にIBJはストップ安となり、5/15の終わり値で699円を付けました。下図のとおり、5/14は値つかずです。株主は翌日まで指をくわえて見守るしかありませんでした。
IBJは100株から購入できるため、僕が購入した2016年は6万円ちょっとでした。
その後順調に株価が上がり、一時は1200円まで上昇しました。
そしてそれはほんの一ヶ月半前のことです。過去5年の株価推移もマネックスから引用します。
2014年1月から2018年1月の4年間で株価が10倍になっています。
これがわずか1ヶ月半で半分近くまで下落したことになります。
IBJ株の暴落の原因は?
株価の下落に理由をつける方が難しく、分かることといえば、売られたから下がった、という事実だけです。
それでも自分なりに理由を考えることは無駄ではないと思います。
理由1|決算の失望売り
決算発表の翌日のストップ安ですから、まず一番に思いつくのが決算発表に対する失望売りです。
IBJは12月が本決算なので、今回は第一四半期決算です。決算の概要を同社IR情報から引用します。
ざっくりですが、前年同期比で売上高は5%増、営業利益は5%減です。
確かにIFISコンセンサスを大きく下回る決算内容ではありましたが、第一四半期決算の失望売りとはこれほどのインパクトがあるのでしょうか。
これだけでは納得いかないため、もう少し調べてみました。
理由2|業績見通しに対する懸念
次に考えたのが、同社の先行きに対する懸念が広がったのではないかということです。
実際婚活業界は多くの企業が目をつけており、大企業の参入が相次いでいます。
リクルートは昔からゼクシィで有名ですが、人材派遣のエン・ジャパンやyahoo!なども婚活ビジネスを手がけています。
さらにpairsやwithといったマッチングアプリも流行っています。若い方は婚活パーティよりもマッチングアプリを利用する方が多いでしょう。
これらの影響かどうかは分かりませんが、IR情報では婚活ビジネスの主力であるブライダルネットの会員数が減少しています。
同社によると歯止めがかかるとありますが、上のデータを見る限り、正直疑わしいと思わざるを得ないとは思います。
ただ、競争が激しいのは成長産業の常ですし、同社の収益性を示すROEは40%強と、利益率の高い構造であるのは間違いなく、これだけでも納得いかないと思い、さらに想像を働かせました。
利回りの高い株主優待|婚活パーティ無料参加券(2018年6月で廃止)
IBJは半年に一度株主優待として同社の婚活パーティへの無料参加券を株主に提供していました。
個人投資家として有名な桐谷さんがTV番組で使って有名になったのではないかと思います。
この株主優待は本人以外も使用できるらしく、少し調べたところチケット屋などでも扱われているようでした。
ざっくり5千円相当のパーティ参加券を年2回配って、もしそれが流通していたと考えると、同社の収益にかなりの痛手となることが想像に難くありません。
理由2|新株予約権の発行と低すぎるEPS
決算情報を読んでいて気になる行がありました。それが新株予約権というものです。
新株予約権の発行は資金調達や従業員への報酬であったり理由はいろいろありますが、既存の株主にとっては基本マイナスです。
発行株式数が増えるということは株式の希薄化につながるからです。
特に同社のEPS(1株当り株主純利益)は30円を切っています。
EPSとしてはかなり低い方に分類されるでしょう。
僕も素人なので勉強中ですが、EPSが低いということは、なんというか、1株の価値が軽いということだと思います。
利益の額に対して株発行しすぎじゃね?というイメージです。
そこにさらに新株予約権ということで、はっ?って感じで既存の株主に失望されたというのは、今のところ僕の一番納得の行く理由です。
IBJ株に学んだ教訓
今回の一件で学んだ教訓です。
日本株はずっと持ってるもんじゃない
僕はIBJ株を投資を始めてから2年弱保有しています。この下落までは評価益で倍近くまで増えてましたが、一瞬でほぼ購入額と同じ水準になりました。極論すれば、投資していた意味がなくなった、ということです。
これに限らず日本株は本当に値動きが激しく、すごくプラスになったかと思うと一瞬でマイナスに転落ということが多々あります。
語弊を恐れずに言うと、日本の株式市場はギャンブル場です。ギャンブルは勝っているうちに逃げなければなりません。
僕は長期投資を基本としていますが、このやり方は日本株には向かないと、あらためて思うに至りました。
個人投資家の多くは日本株を対象としていると聞き、億り人なるものを多数産んでいますが、これらの人はギャンブルの天才なんだと思います。競馬新聞の代わりに日経新聞などから銘柄を選んでいるのでしょう。
一点集中投資をしてはいけない
僕はIBJ株を100株しか保有しかしていないということもあり、金額としてはあまり痛くありませんが、もしも同社の成長性に賭けて一点投資していたらと思うと、背筋がゾッとします。
個別株というのはこういうものです。
まとめ
僕はIBJ株を売却する気はありませんし、多分、反動である程度株価が戻るんじゃないかと思っています。
責任は取りませんが、ギャンブラーの皆さん、オススメですよ。
おまけ
僕は株式投資を始めてから保有銘柄のストップ安に合計4回見舞われました。一方、保有銘柄のストップ高に遭遇したことは一度もありません。本当に、センスがなくて悲しくなります。。