投資信託はネット証券で購入できるものだけでも数千種類を越えています。いったいどれを選べばいいんだとお悩みの方も多いと思いますが、僕のおすすめはモーニングスターが提供するかんたんファンド検索機能です。今日はモーニングスーターのかんたんファンド検索の使い方と僕なりのアレンジの方法をお伝えします。
モーニングスターとは
まずはそもそもモーニングスターって何の会社なのということですが、wikipediaには以下のようにあります。
「日本において投資信託の格付け評価を中心として、アナリストらによる世界規模の金融・経済情報の提供を機関投資家およびセミプロな個人投資家向けに手がける企業である。」
このモーニングスター社が提供する「かんたんファンド検索」が秀逸で、たった数項目入力するだけでおすすめの資産運用を提示してくれます。
僕自身は個別株や米国ETFが好きで投資信託はあまり保有していないのですが、投資信託中心の運用であれば間違いなくこれを参考にします。
大事なのは、モーニングスター自体は投資信託を売る商売をしていないため、他のサイトのように自社の商品に誘導しようとすることなく、専門家からの中立な立場での提案を受けることができるということです。しかもこれが無料なので驚きです。
ステップ1 基本条件の入力
入力するのは、初期投資金額、毎月積立金額、投資期間、目標金額のたった4項目です。
このサンプルでは初期投資300万、毎月2万を20年積立てるケースを想定しました。
20年後に利子ゼロの預金をしていた場合は780万となりますが、目標を約倍の1500万円を目標設定としました。
これでも利回りは4.5%程度とそこまでリスクは高くありません。
投資における元本割れのリスクは怖いですが、投資しないリスクの方が高い時代なのかもしれません。
このように積立ての入力方法の他に、退職金の運用のように毎月取り崩す場合などもシミュレーションできます。
なお、年間の目標利回りが8%を越える金額で設定をしようとするとエラーがでます。「8%は欲張りすぎだぞ」、とモーニングスターさんは忠告してくれています。
このことからも手数料のコンマ数%の差を無視すべきでないことが分かりますし、1日で数%以上値動きする個別株がいかにリスキーな投資かが分かります(分かってても僕はやりますが)。
上の入力を完了すると、下図のようにおすすめの資産配分(ポートフォリオ)を提示してくれます。
このケースでは株式と債券の投資信託をだいたい50%ずつ保有するという結果になりました。
日本株式の比率が小さいですね。モーニングスターは日本経済の将来に対して悲観的なようです。
ステップ2 商品の選択
ステップ1の入力を終えると、それぞれの資産クラスの商品が10こずつ紹介されます。ここでは日本株式の例を載せます。
手数料がかなり安い商品が出てきていますね。
三菱UFJ国際投信が運用するeMAXIS Slimやたわらノーロードに至っては0.2%を切っています。
僕が投資を始めた2016年にはなかった商品です。ようやくコスト競争が活発化してきたようです。
上で表示されたのはどれも実績のある会社が運用する問題ない商品と思いますので正直、どれを選んでも運用成績に大差はないと思います。
ただ発売されたばかりの商品であるため実績の記載がななく、どうしても過去の実績が見えてないと怖いという方は類似商品を探す手もあります。
おそらく、これら商品の前身の投資信託(手数料が高い版)が出てくると思います。
これらの投資信託は日本株式市場に連動しますので、すごくざっくりですが、日経平均が上がれば利益がでて、下がれば損失がでるものと理解してもらってよいと思います。
損が出たとき、この投資信託ダメとか考える前に、日経平均がどういう動きをしているかにも目をむけてみてください。
これらの投資信託を買うということは、日本経済の発展に賭ける、ということです。
同じく先進国株式、新興国株式、先進国債券、新興国債券、のおすすめがでてきます。これらを選んでチェックを入れます。
ステップ3 結果の表示
以下のように結果が表示されます。
ちょっと新興国債券の手数料が気になりますが、全体としてはいい感じだと思います。
あとは、ここで調べた投資信託をご自分のネット証券で検索かけて購入するだけです。
このように各資産クラス別に投資信託を持つことで、資産の透明化が図れるのと同時に、自分がどういう資産運用をしているのかが自分自信で分かるというメリットがあります。
上記のポートフォリオが常にベストというものではなく、世界経済の動向等で変わりますので、ほったらかし希望の方でも半年に1回、盆と正月くらいにリバランスした方がよいでしょう。
手数料について
上記の投資信託個別に購入した場合、手数料を平均すると0.3%程度です。
お金だけだしてポートフォリオも含めて面倒みてくれるバランスファンドやファンドラップといった商品で信託報酬が2%くらいのものと比べると、100万投資したら年間1万7千円、1000万なら17万円もの差がでます。
この一手間の価値をどうみるかです。
このサンプルでは4.5%という期待リターンを設定しました。これに対しての、0.3%と2%の違いです。
高額なファンドマネージャーや投資アドバイザならばこの差以上の運用効果を出してくれるはず、と信じられるならいいですが、僕は、思考の過程は省きますが、そんなはずはない、と思っています。
もっとリターンを追求した人向けの応用編
モーニングスターのかんたんファンド検索だと上限8%までしか設定できませんが、僕のようにもっとリスクをとってリターンを追求したいという方もいらっしゃると思います。
例えば、値動きの大きい国内株の比率を高めたり、アクティブファンドに投資してみるとか、先進国株式は投資信託じゃなくて直接米国株を買うなど、自分で味付けしていくことでリスク・リターンをコントロールすることができます。
僕がやっている味付けは、大きく言うと以下の3つです。
・国内株式はインデックスではなくアクティブの「ひふみプラス」にしている
・日本の個別株の売買を行う
・先進国株は投資信託でなく、米国株、米国ETFを直接買う
最後に、モーニングスターのHPにあった以下の文章がすごく印象に残りました。
「どの資産にどうお金を割り当てるかで運用成績の8割は決まる」
ここでいう「どの資産」というのは、国内株式なのか海外債券なのかなどの市場そのものを指します。
例えば日本の株を複数持つというのは大きな意味でリスク分散にはなりません。市場そのものが同じためです。
リーマンショックやチャイナショックなどの時は、銘柄に関係なく株式市場全体がまとめて下落しました。
市場すなわち資産クラスを分散することが大事だということです。
そして日本円というのもひとつの資産クラスです。
投資を嫌って全て円で貯金するということは、実は円という価値にフルベットしているということであり、これはこれでリスクが高いことだと僕は思っています。