優良割安米国株|P&Gに押し目買いのチャンス到来!?

ファブリーズやパンパースでお馴染みのP&Gは世界最大手の一般消費財メーカーです。言わずと知れた超優良企業ですが、ここのところ株価が下落傾向にあり、これは押し目買いの好機ではないかと、買いたい衝動が抑えきれなくなりつつあります。

P&Gは2016年末に僕が米国株への投資を始めて最初に購入した銘柄の1つです。理由は超優良な業績に加え高い配当金が魅力だったからです。

2017年は株価も概ね順調でしたが、今年に入って一瞬でマイナス圏へ転落してしまいました。

ただ、周りの銘柄と比べても明らかに下げすぎているようにも思え、反発狙いの追加購入を検討しています。今日は一度冷静になるため、P&Gについて少し掘り下げてみたいと思います。

P&Gってどんな会社

P&Gの正式名称はプロクター・アンド・ギャンブルで、創業者の名前がそのまま使われています。

冒頭のとおり世界最大手の一般消費財メーカーであり、どこの家庭にも同社の製品が必ずあるといっても過言ではないくらいに僕たちの生活に浸透しています。

P&Gに対する企業分析は他の方がさんざんされており、何を書いても受け売りの二番煎じのことしか書けそうにありませんので、ポイントだけ書くに止めます。

50年以上の連続増配

米国の企業は株主還元を重視しています。その中でもP&Gは50年以上継続して増配を続けている数少ない企業の一つです。

直近の配当利回りは概ね3%程度で、100万円分投資したら毎年3万円程度配当を貰えます。日本で3%もの配当を出す企業は少ないです。

一般消費財分野で世界1

世界1位の最大手です。世界2位は英国発祥のユニリーバで、世界中の市場で火花を散らして争っています。

ちなみに日本での売り上げは花王についで2位です。花王には是非日本1位の座を死守して欲しいです。

高い収益性

詳しくは後述しますが、直近のROE(株主資本利益率)が20%を超えています。

ROEは業種や業態によって一概に比較できませんが、一般的にROE10%を超える企業は優良企業と言われています。

ためしに日本企業でROE20%以上でスクリーニングしてみると全体の5%程度しかヒットしませんでした。

それほど高収益な事業をこれだけの大企業が展開しているということです。日本の企業は大企業になればなるほど体が重くなり、利益率は低い傾向にあります。

P&Gは高配当かつ高収益の安定したディフェンシブ銘柄として、長期投資を基本とした投資家に好まれる銘柄の代表格です。

ただ、直近としては利益率の伸びが鈍化しているなどが指摘されており、株主からは更なる改革を求められているのかな、というのがいろいろ調べて感じた印象です。

P&Gの基本情報

投資家として気になる同社の基本データを示します。2017年12月決算のものです。

2017年6月実績 P&G 単位
 売上高 65,058 百万USD
 営業利益 14,685 百万USD
 ROE 27.7
 1株利益 5.6 USD
 1株配当 2.7 USD
 配当利回り 3.0
 PER 15.58
 PBR 4.11

さすが超一流企業という感じですが、ここで注目したいのが、PERです。株価を1株純利益(EPS)で割って算出されるこの数字は割安性を示すとされ、低ければ低いほど割安とされるのですが、20倍以上が当たり前の米国株において15倍台です。

現在は株価がさらに下落し75ドルに迫る勢いですので、今は恐らく13倍切るか切らないかの水準です。どう考えても割安であることには間違いありません。

なお、PERは業種によって捉え方が異なり、成長産業は多少高くても良いとされています。飛ぶ鳥落とす勢いのアマゾンなんかは300倍近くても株価は上昇を続けています。

あくまで指標の1つとして冷静に受け取りましょう(自分に言い聞かせている)。

ここまではそこらじゅうに書かれていることなので、以降は少しでもオリジナルな視点を交えたいと思い僕なりに他で書いてなさそうなことを書きたいと思います。

日本企業との比較|花王、資生堂

P&Gとよく比較される日本企業は花王と資生堂ではないでしょうか。

ファブリーズに対してはリセッシュ(花王)、ヴィダルサスーンやH&SにはTSUBAKI(資生堂)など、対抗した商品展開が見られます。

上の指標の花王と資生堂版を下記にまとめました。

2017年12月実績 資生堂 花王 単位
 売上高 1,005,062 1,489,421 百万円
 営業利益 80,437 204,791 百万円
 ROE 5.6 19.8
 1株利益 57.0 298.3
 1株配当 27.5 110
 配当利回り 0.5 1.44
 PER 95.76 25.65
 PBR 4.89 4.6

やはり全体的に見てP&Gに軍配が上がります。上記の指標だけ見ると、全項目でP&Gが上です。

ざっくり1ドル100円とするとP&Gの売り上げは6.5兆円で営業利益は1.5兆円、資生堂は売り上げ1兆円に対し営業利益が800億円と、売り上げの差は規模の違いでしょうがないとしても、その収益性の差が顕著です。

ちなみに資生堂と花王を比べると、投資家の視点では資生堂より花王の方が良さそうに見えますね。というか、花王、いいですねー。

ただしこれらの数字は上っ面で見てはいけないものだと思いますので、PLとかBSとかも合せて確認した方がいいでしょう(偉そうに言いましたが僕も勉強中です)。

P&Gの株価推移をギャンブラー視点で見てみる

P&Gの株価推移をマネックスより引用します。

・長期推移(過去約10年)
下の図のとおり、基本右肩上がりで、現在の株価はなんというか、いい感じにハマってるなという感じで、買うタイミングとして「ちょうどよい」あたりにあるように見えます。

・中期推移(過去5年)
一方で少しスパンを短くしてみたものが下図です。

こちらには200日平均線(青緑の線)とRSIを下に載せています。RSIは一般に70%以上(緑の線の上側)は買われ過ぎ、30%以下(緑の線の下側)は売られ過ぎとされており、今はまさに売られ過ぎの領域にあります。

一般的に売られ過ぎの状態からは反動が来るものです。200日線を大きく下回っており、この線に寄ってくる可能性が高いです。

2015年の下落後も反転しており、このタイミングが近いように見えます。

一方この株価推移からの気づきで、株価が2013年頃と同じ水準まで下がっていると見ることもできます。

P&Gが優良企業であることは今にはじまったことではないのにです。

5年間同社の株を持ち続けていた場合、配当の収入はありますが、キャピタルゲインはゼロに戻ったことになります。

2013年以降に購入した方はほぼ全員マイナスです。この事実はかなり重いです。

米国の株式市場全体の指標であるダウを見ると以下の図のとおり、2013年に比べて2倍とは言わないまでも、1.6〜1.7倍くらいになっています。

米国株の牽引の主役はFANGやMANTといったテクノロジー企業なのは確かですが、P&Gの株価がここまで取り残されているのには上で示した数字では表されない要因があるように思います。

米国では「成長」がより重視される、例え超優良企業であっても利益率が伸び続けない限り評価されない、そんな雰囲気があるのではと感じはじめています。

ちなみに参考まで資生堂の株価推移は以下のとおりです。

こちらは2013年から株価が4倍です。相場というものが分からなくなります。

まとめ

P&Gは本来キャピタルゲインを狙う銘柄では無いと思います。

が、ここは狙ってもいいのではないかと思います。僕は、買います。

とりあえず2017年頑張ってくれたボーイングやレイセオンなどを売って、タイミングを見てP&Gに充てようと思います。

2018年3月現在米国では貿易摩擦の懸念ということで大幅に株価が下落しています。

トランプはアルミや鉄などの関税引き上げを実施するとし、中国ほかもこれに反抗措置を取るのが確実であり、市場はおおいに動揺している、とされています。

鉄鋼業なんか全く関係ないP&Gがなぜここまで売られる理由はないと思い、相場の落ち着きを待ちつつ購入します。

ただ、比率は多くても全体の20%以下にします。リスク分散の観点と、米国株投資は成長産業への投資が基本だと思うからです。

以下、関連記事です。
・コカコーラ、ペプシコもディフェンシブ優良株として有名です。

・米国株購入までの流れをまとめてみました。

・そろそろ売り時と考えてますが石油メジャーのRDS.Bにも注目しています。

・P&Gの急落のきっかけの日です。ダウが暴落しました。

おまけ

P&Gは僕が就職活動で一番はじめにうけた会社でした。

通っていた大学から日本法人本社が近く採用活動も早かったので、こんな一流企業とも知らず、「プリングルスの会社」くらいの知識で応募しました。当然、面接にも進めず落ちました!