2018年2月2日のダウ平均は前日比で665ドル安となりました。1日の下落幅としては実にリーマンショック以来9年ぶりの大幅な下落です。リーマンショックはサブプライムローンの破綻という明確な理由がありましたが、現在の米国経済は堅調そのものであり、当時と状況は違いますので単なる調整の範疇かも知れませんが、気になるところも多かったので後から振り返るためにも記事に残しておきたいと思います。
大幅下落の原因は?
米国の経済状況は去年から引き続き堅調だと言われています。実際に毎月発表される経済指標がそれを裏付けています。例えば同日発表された非農業部門の就業者数は前月比20万人増と、市場予想を上回っており、失業率も4%程度と低い水準を維持しています。平均時給も上がっています。これは今月に限らず、昨年からずっと同様の傾向です。
このような中、過度な景気拡大、ようするにインフレを抑制するために米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを定期的に行っています。これも昨年から同様です。
主なニュースによると、堅調な米国経済指標を受け、さらにFRBの利上げペースが加速するのではないかとの観測が強まり、米国株は大幅安になったと報じられています。
ざっくり言うと、利上げされるなら株なんて危ないものに投資するより預金した方が確実だよね、ということで株を売って預金に走るのではないかというロジックで、これは一理あると思います。
注意しておきたい|2017年こんな下落は一度もなかった
僕は2016年から投資を始めた投資初心者ですが、少なくとも2017年の1年間を通じてこんな下落の仕方は一度たりともありませんでした。
665ドルという値幅もそうですが、それ以上に違和感を覚えたのは、好調な経済発表を横目にダウが下落したという状況です。昨年は雇用指数などに代表される経済指標が好調だと報じられた日はほぼ間違いなくダウも上昇していました。
去年も同じく米国の金利上昇が指摘されていましたが、当時は「金利上昇への期待で株価上昇」という表現が頻繁に使われていました。上で書いたとおり金利上昇はどちらかというと株価へはマイナスに働くはずなので、理屈が合わないなとは思っていましたが、おかまいなしに株価は上がり続けていました。
ちなみに(主にネットの)メディアは「結果」に対して「期待」と「不安」という言葉を入れ替えて使っているだけなので、あまり信用しない方がいいというのもこの1年で学んだことです。
これからの米国株式市場はどうなる?
来週から米国の決算発表が本格化します。おそらく総じて好調な決算発表が続くと思われます。当然ながら業績が好調ならば株が買われます。ですので、ダウは上がるはずです。
ただし、上がったら下がるのが条理である株価が毎日のように過去最高値を更新し続けている米国市場には過熱感も指摘されており、大きな調整が入る可能性もあると思います。冒頭の図は過去6ヶ月のダウのチャートですが、過去5年のものを下に示します。
6ヶ月推移を見ると調整としてはちょうど良さそうくらいに見えますが、この5年の推移を見ると、なんとなく、そろそろもっとがっつり下がらない方がおかしいかなとも思えます。一方で、下がる明確な理由がないというのも事実です。ちなみに上の図で2015年頃に凹んでいるところはチャイナショックによるものです。
いずれにせよ米国株へも投資している僕としては今後の展開は今まで以上に注目したいと思います。
日本株への影響は?
別の記事にも書きましたが日本株はダウと為替の影響を強く受けます。日本の株式市場は世界景気に一番敏感です。今回の状況はダウが下落するというマイナス要因と、米国の利上げ観測により円安が進むという日本株にとってのプラス要因が絡み合い、週明けどう反応するのか注目したいと思います。ただ、円安といっても、1円も動いていないので、間違いなくマイナス要因が勝ちそうですが。。
日本企業も四半期決算シーズンであり、こちらも過去最高の売り上げ高や経常利益の発表が続いています。それでもダウが下落すれば日経平均は下がるでしょう。好決算期待に少し株式のポジションを上げている方は少し気をつけた方がいいかもしれません。
まとめ
今日は2018年2月2日のダウの下落について思うところを書きました。
普段は日々の株価がどうこうはあまり気にしないのですが、昨日のダウの下がり方は嫌な感じがしました。これがきっかけで大きく下落とかしなければいいのですが、少しバブル感のある今の相場がこのまま続くとも思えず、必ずどこかで調整が入るはずです。
僕は投資歴が浅く、まだ大きな下げ相場というのを経験したことありませんので、いつ下がるのかと過敏になっているだけかもしれませんが、これからどちらに動くにせよこれからの相場の動きを今後の糧にしていきたいと思います。