僕のおすすめ銘柄|実はテンバガー株、九電工(1959)は上値を追い続けるのか

 九電工は九州に拠点を置く電気設備工事を事業の柱とする会社です。その名のとおり九州電力との関係が深そうですが、九州電力関連の工事は全体の20%程度であり、首都圏の工事も多く受注しています。僕は投資を始めてからずっとこの九電工株を保有しており、今後もまだ上昇していくのではないかと、期待している銘柄の一つです。

 九電工は僕に中長期視点の投資の大切さを教えてくれた、思い入れある銘柄です。今日は九電工の株価の推移や今後の業績予測等についてまとめてみたいと思います。

九電工の株価推移

 九電工の株価推移をマネックスのサイトから引用します。

 なんとこの4年程で株価が10倍以上になっています。僕が購入したのは2016年の終わりころでしたが、そこからも2倍程度上がっています。トランプラリーに全く反応していないというのも特徴的な値動きです(何度売ってやろうかと思ったことか(笑))。トランプラリーを牽引したのはハイテク株でした。建設業界をはじめとする内需系の企業はかなり出遅れましたが、2017年に入ってから一転して好調な推移を見せました。

業績予測

 業績推移を引用します。順調に売上げを拡大し、営業利益も右肩上がり、2017年は過去最高益を達成の見込みです。特に営業利益の伸びが顕著で、高収益な体質が構築できていることが分かります。
 企業は雇用者を確保し続けるため利益が少ない仕事も受けなければならない局面が多々ありますが、東京オリンピックに向けた工事や業績好調な民間企業の設備投資などを背景に、現在の建設業界が売り手市場なのは間違いなく、利益率の高い工事を選べる立場にあるものと想像します。

 建設業種はその特性として、売上高の予測見込みの精度が高いです。大規模な工事になればなるほど事前に事業計画が立てられており、やっぱ工事やーめたっ、ということがないからです。なので決算等で上の数字を大きく下回るということはないでしょう。一方逆の例でスマホアプリの課金等をビジネスモデルとする企業は、収益性は高いですが、一般ユーザーが相手ですから、売上げが思ったほど伸びないなどのリスクが常に伴います。

 建設業はサプライズにより株価がストップ高となることもまずないですが、業績が順調に伸びている会社は、長い目でみればそれに相応しい株価に落ち着いていくことが想像されます。九電工の株価は確かにハイペースで上がっているように見えますが、現時点の株価でもなお同業他社に比べ割安性は高く、業績も拡大傾向にあり、まだまだ上昇余地があると僕は考えています。
 ただし、日本の株式市場は為替が円高に傾くと、あまり関係ないはずの内需系企業も一緒に連れ安になったりと、個別の企業の業績云々とは関係ない値動きをしますのでトレンドには注意が必要です。

今後の見通し

 九電工のホームページに掲載されている中期事業計画より、売上げ計画を引用します。

 同社は再生エネルギー事業に力を入れており、グラフから太陽光発電事業が一つの柱に成長していることが見て取れます。太陽光発電はFIT制度による売電額の固定買取がきっかけに急速に拡大しましたが、毎年の価格見直しにより今後はかなり縮小していくことが予想されます。これを2020年度で1割減と見込むのは少し甘い気がしています(太陽光発電については素人なので直感ですが)。
 ただ、全般として2017年度は日本企業のかなりの数が過去最高の決算を出すと予想されており、来年度の設備投資額は増加が期待されます。過去順当に売上げを伸ばしているという同社の実績を考慮すると、上の計画は無茶な数値という訳ではないように思います。

 目先数年は潤沢な工事がありそうですので、今後は海外展開による更なる飛躍に期待したいです。現状九電工の海外売上げ比率は高くありませんが、日本で培った技術力を武器に新興国等への事業拡大を目指しているようです。

まとめ

 九電工はこれからも成長の期待できる銘柄と思っていて追加購入したい欲求にかられています。ただ、自分が投資を始めた時に買った銘柄ということもあり、ポジティブに気持ちがオフセットされていることを自覚していますので、一度冷静に様子を見ようと思います。
 
 この記事を書いている1月末現在は、多くの日本企業の4半期決算を控えている時期です。為替が110円台と円高が進んでいるという株価にとってのマイナス要因と、日本企業全般がおおむね良好な決算を出すであろうというプラス要因が複合し、為替の影響を受けにくい建設系をはじめ内需系の企業へと資金が向かう可能性があるのではないかと思っています。
 また、九州電力が原子力発電に積極的で、玄海原発の再稼働に向けて着々と計画を進めています。原発再稼働の賛否はあると思いますが、これも電気工事需要を生みますので、九電工もこれによる売上げの底上げもあるかもしれません。