僕が米国株投資をはじめて最初に買った銘柄の1つが、ロイヤルダッチシェル(RDS.B)です。ロイヤルダッチシェルは石油スーパーメジャーの一角で、数ある米国株の中でも時価総額16位、売上高は2位(2017年米国四季報より)の超巨大企業です。今日はそんなロイヤルダッチシェルの株を購入に至った理由を書きたいと思います。
僕には世の中に2つ、どうしても価格設定に納得が行かないものがあります。1つは、マンション(家)の値段、もう1つは、ガソリンの価格です。この後者の思いが僕が題名であるRDS.Bを購入する根本的な動機となりました。
ロイヤルダッチシェルってどんな会社
ロイヤルダッチシェルは欧州の石油メジャーの一角です。昔石油開発を独占していたセブン・シスターズが起源です。
1900年代にエクソンモービルが世界中で幅を利かせていた時期に、ロイヤルダッチとシェルが対抗しようと合弁して誕生したのがこのロイヤルダッチシェルです。
日本でも昭和シェル石油として有名ですが、2015年に株式を出光に譲渡しています。昭和シェル石油と出光の合弁を巡るごたごたは記憶に新しいです。
それは置いておいてロイヤルダッチシェルは石油元請けとして世界1位の売上高を誇る超巨大企業であるとともに、高配当銘柄として投資家に有名な企業です。
その配当利回りは6%を超えています。日本で6%の配当利回りを出す大企業は聞いたことがありません。極端には16年間同社の株を保有すれば、配当だけでで元本を回収できる、そんな会社です。
そんなロイヤルダッチシェルですが、近年株価がふるいません。同業のエクソンモービルも同じです。下図はマネックスのトレードステーションからの引用です。
2014年には90ドル近辺だった株価が2016年には50ドル台まで下がっています。
原因は原油価格の下落です。石油元請け会社の株価は原油価格に連動する傾向が強いです。原油が安くなれば儲かるのかなと素人の僕は思っていましたが、どうやら逆のようです。日本の石油元請け大手のJTXGのHPから引用した原油価格の推移を以下に示します。
2014年以降きれいに連動して下落しています。当時は米国でシェールガスの開発が進んだことで、原油価格に大きな影響を与えたと言われています。
そんなロイヤルダッチシェルの株価ですが、2016年初頭に40ドルを切ったのを底打ちに、じわじわと回復傾向にあり、僕が購入した2016年10月頃は56ドルくらいでした。
同社の株を購入した動機は、原油価格がもうこれ以上下がらんだろうという気がした、それが主な理由です。
僕が小学生の頃の授業の教えでは、そろそろ原油は枯渇しているはずでした。ところが原油価格は上の図のとおり、リーマンショック前の1/3以下の価格になっています。
数ある石油元請けからなぜロイヤルダッチシェル(RDS.B)を選んだか
数ある銘柄からロイヤルダッチシェルを選んだのには理由があります。
石油元請けの中でも圧倒的なシェアを誇る、所謂スーパーメジャーと呼ばれる会社は以下です。
・エクソンモービル
・ロイヤル・ダッチ・シェル
・BP(ブリティッシュ・ペトロリアム)
・シェブロン
・トタル
・コノコフィリップス
ちなみに、日本株では出光興産とJTXGが石油元請けとして有名です。
ちょうど出光の生みの親である出光佐三の半生を描いた映画「海賊と呼ばれた男」を見たところだったので日本企業に投資したかったのですが、当時の出光はお家騒動でバタバタ、日本の石油元請けのもう一角のJTXGの株価は下図のとおりにガッタガタしていて、ただでさえ日本の株式市場にマネーゲームの印象さえ持ち始めた僕は投資する気になれませんでした。
僕がロイヤルダッチシェル(RDS.B)を選んだ理由は以下の2点です。
1.チャートの形が僕好みだった。
2.配当がすごく高かった
1.について、XOMもぱっと見同じような株価推移をしていましたが、ピークからより大きく凹んでいるRDS.Bの方がギャンブル好きの僕にはそそりました。
2.の方が大きい理由ですが、XOMの配当は2017年10月現在3.74%、RDS.Bは6.02%です。繰り返しになりますが、配当6%越えは日本の大企業では見かけたことがありません。
・高配当米国株のP&Gについて書いた関連記事です。P&Gは割安株でもあります。
RDS.Bのファンダメンタルズ
ロイヤルダッチシェルのファンダメンタルズについて米国株四季報(2017年秋冬号)からの抜粋です。
2016年実績 | |
売上高(百万USD) | 233,591 |
営業利益(百万USD) | 2,945 |
純利益(百万USD) | 4,575 |
1株利益(ドル) | 1.17 |
PER | 47.29倍 |
ROE | 2.62% |
自己資本比率 | 45.38% |
売上高は日本円にしてなんと25兆円、これは数ある米国企業でもウォルマートに次ぐ売り上げ高です。
ただしそれに対して利益率、ROEともに一流とは言い難い数字となっています。一株益が1ドルちょっとなので、配当6%とすると、配当性向が100%を軽く超えています。利益以上に株主に還元しているということです。
やはり原油安の影響がまだ尾を引きずっています。それでも2017年に入って原油価格も上昇してきており、収益力の改善が見込まれるため、株価も底を打つ可能性が高いとも言えます。高配当銘柄は基本キャピタルゲインを狙うものではなく長期で保有し配当によるインカムゲインの恩恵を得るのが基本だとは思いますが、僕はこういう時はそのダブルで狙ってもいいのかなと考えています。
実際、2017年に入って株価も上昇傾向にあります。2017年の米国株四季報秋冬版でも注目会社のトップページを飾っているのがこのロイヤルダッチシェルです。
とはいえ、2017年は米国全体の株価が最高値を更新しているので、相対的にみればその伸びも物足りないのも事実です。
米国株は日々最高値を更新していますので、ロイヤルダッチシェルのような高配当ディフェンシブ株とFANGのような成長株を組み合わせて持つのが良いように最近は考えるようになってきました。
まとめ
今日は僕が石油関連ということでRDS.B株を購入した経緯について書きました。RDS.Bは現在僕が保有する米国個別株としてはコカコーラに次ぐ投資先となっています。
・コカコーラ(KO)とペプシコ(PEP)を比較した関連記事です。
米国株については基本短期売買をするつもりはないのでしばらく持ち続ける予定です。株式投資は基本値上がりによるキャピタルゲインを期待していましたが、RDS.Bについては配当も魅力的なので長期で持ちたくなります。
ただ、配当が高いということは、それによる株価下支えの意図があるはずなので、値下がりによる損失が配当によるインカムを越えるようだと、見直そうと思います。そうなる前に早期に変化の予兆を察知できるよう、原油価格にも目を向けようと思います。
エネルギー関連はいろいろ自分なりに考えを深めたいと思っているので、また気づきがあったら記事にしたいと思います。
・関連記事です。太陽光投資はじめます。
おまけ
ちなみに冒頭で述べた僕が価格設定に納得のいかないもう1つである、マンションの価格については、僕らサラリーマンの大半が、極端に言えば人生と引き換えに手にするものであるということに対する違和感があります。
それだけのコストがかかっているといわれれば確かにそうなのでしょうが、僕にはどうにも納得できません。
同僚もマンションを購入して、これで借金大王だ、と明るく言ってたり、駅前のマンションだから今買っても損はしないだろう、という、僕には意味不明な理由を口にしたりします。こちらは謂わば価値観の違いで話は収まるのかもしれません。
一方のロイヤルダッチシェル購入の動機でもあるガソリンの価格については、相対的な違和感です。ガソリンの価格は安いが良いと、僕に限らず誰もが思っています。資源難の今の時代において、基本的には循環しているだけの水よりガソリンの価格の方が安い、ということに強い違和感を覚えています。いろはすやVolvicはコンビニで500mℓ約100円、ガソリンは1ℓ約130円です。この違和感がなくなるまでは同社の株を保有するつもりです。