投資初心者が選ぶべき米国ETFとは|VTI,VOOあたりが安心

 前回書いたとおり僕は米国株を始めましたが、現在僕はETFと個人的に興味を持った個別株それぞれに投資をしています。今日は米国ETFについて僕が投資するにあたって調べたことなどをまとめたいと思います

 投資初心者の僕は最初ETFって何?でつまづいたので、簡単に補足しておきます。

ETFって何

 簡単にいうと、運用会社がある特定のテーマにそって選定した企業の株の集合体であり、これを個別株と同じような感じで取引きできる商品、です。
 個人で個別の企業の株を買うとなると、1銘柄数万から数百万といった資金が必要となり、投資資金が潤沢でない僕ら庶民は極端にはその銘柄と運命をともにするというリスクを負います。これに対しETFは多数の投資者から集めた資金を運用会社が多数の銘柄に分散して購入するため、リスクを分散することができます。ただし逆に、そのETFに含まれる1銘柄が急騰したからといってETFの価格が数倍になるということもありません。市場全体に薄く広く投資した商品であり、それをまるで個別株のように売買することができるもの、これがETFです。
 次の疑問は投資信託と何が違うの?ということですが、僕は、株と同じように1単位ごとに日々取引き可能なのがETF、売買時に約定とかで時間がかかるのが投資信託と、ざっくり理解しています。あと、ETFは積み立てができないので、適宜自分で買う必要があります。
—————————-

米国株への投資の方法

 日本にいて米国株へ投資をするには、日本の証券会社が運用する米国株投資をうたった投資信託を買うか、円預金をドルに替えたのち、米国の個別株もしくはETFを直接購入するかの2とおりと認識しています。僕は後者を選びました。理由は以下の4つです。
1.長期保有を考えた場合の手数料が後者の方が安い
2.投資銘柄から算出された適正な配当金に得られる
(国内のいかがわしい投資信託はいかがわしい配当金をだしているのもありますが)
3.ドル建てでの生の値動きを見られる
(円建てでは為替の影響が入るため純粋なパフォーマンスが分からないから)
4.長期的には円安方向になっていくと思うから

 特に一つ目の長期保有についてですが、手数料には為替手数料も含まれますので、為替相場と市場動向の両方に、よほど目利きがきかなければ短期のトレードは成功しないでしょう。
 前回も書きましたが米国株に投資をするならば、ある程度長期スパンで捉えるべきで、それにふさわしい余力資産を充てるというのが、僕が最初に考えたことです。日々の値動きも非常に小さいですので、間違っても日本株の信用取引きのように、短期で値幅を取るというような思惑で購入するものではありません。

選ぶべきETF運用会社

 一言でETFといっても、それを扱う会社はごまんとあります。まずはその中で信用に足る運用会社を選ぶのが最初のステップと考えました。結論から書きます。僕がいろいろと調べた結果、米国ETFはバンガード社の運用するETFか、ブラックロック社が運用するiシェアーズシリーズの中から選べばよいという結論に至りました。
 どちらも運用会社として信頼と実績があり、取り扱うETFも対抗しているのでしょう、同じようなコンセプトの商品を出し、手数料の引き下げ合戦が繰り広げられています。年間の手数料である信託報酬が0.1%を切っているものも多く、日本の投資信託とは比べものにならないくらい安いです。

具体的に銘柄を選定する

 ここからが本題ですが、僕が数多あるETFの中からどのように選んでいったかを書きたいと思います。まず上記の2社の商品に絞るというところまでしましたが、その中でどうやって絞り込んでいったかというと、
 ・ETFの特性をざっくり分類する
 ・信託報酬(手数料)がより安いものを選ぶ
 ・利回り(配当金)がより高いものを選ぶ
というステップです。

 まず最初のETFの特性をざっくり分類するところですが、ETFがどんな株式を組み入れているかでそのETFの特性が分ります。大別するとだいたい次のような感じです。

 ・米国企業全体へ投資するETF
 ・米国大型株へ投資するETF
 ・米国の特に高配当を重視するETF
 ・世界中の企業に投資するETF
 ・新興国に投資するETF

 もっと細かくテーマ設定されているものもありますが、入り口はこれくらいでいいと思います。この分類で信託報酬と利回りの観点で候補とした銘柄を、この1年間弱保有してみた感想とかを交えて以降に書きます。

米国企業全体へ投資するETF(VTI)

 VTIはバンガード社の提供するETFであり、アメリカ全土の企業へ満遍なく分散投資するというものです。日本で言えばTOPIX連動のETFのようなイメージかなと思います。
 魅力はその安定的な値動きです。僕らが一般的に目にする米国株式市場の動向の指針といえばN.Yダウが代表的です。構成する銘柄数は全く違いますが(ダウは30社の平均)、ほぼこの動きと連動します。ニュースでダウ上昇とあれば、だいたいVTIも上がっています。
 そして2017年9月現在、ダウは最高値を更新し続けているという状況です。米国経済が堅調である限りは安定した商品であり、そして今の米国経済は堅調です。アメリカという国そのものに投資する、そういう意味合いのETFと言えます。

信託報酬は0.05%と非常に低く、配当も2%前後出ます。長期保有に最もぴったりな商品と言えると思います。

米国大型株へ投資するETF(VOO/IVV)

 これらの銘柄は、米国株の中でもS&P500銘柄で構成されていて、ようはアメリカ企業の有名所で構成されたETFです。S&P500銘柄は日本で言えば日経225、すなわち日経平均構成銘柄のイメージかなと思います。VOOはバンガード社、IVVはブラックロック社の商品です(以降、ここでご紹介するETFは、Vが頭文字はバンガード、それ以外がブラックロック社です)。
 これらの特徴ですが、組み入れ銘柄は違いますが、正直上に書いたVTIとほぼ同じかなという印象です。信託報酬、配当とも、VTIとほぼ同じです。
 次にVOOとIVVの違いですが、素人目には、ありません。S&P500銘柄に分散投資するという同じコンセプトであり、手数料も互いを意識した設定になっています。微妙に構成銘柄のバランスが違うでしょうが、その違いがパフォーマンスにどう影響するかなんて僕ら素人には分かるはずもなく、そんな目利きができるなら個別株を買えばよいと思います。

 僕は上のVTIとVOO両方1年近く保有しまいたが、パフォーマンスはほぼ同じ、手数料もほぼ同じなので、VTI,VOO,IVVは極論どれでもいい、悩んでも無駄、そう思っています。無理やり理由をつけるなら、僕は投資対象としては大企業が好みなので、どちらかといえばVOO(IVV)かな。

米国の特に高配当を重視するETF(VYM/HDV)

 これらは、米国の優良企業の中でも、配当が高いもので構成されたETFです。当然配当金が上記のETF(VTI,VOO,IVV)よりも多いです。VYMの信託報酬は0.09%、配当は3%前後、です。VTI等に比べると若干信託報酬が高いですが、配当3%は魅力的です。HDVもほとんど同じです。
 じゃあ値動きはどうなのかというと、僕はVYMをVOOとほぼ同時期に購入しましたが、この1年弱のパフォーマンスでは、若干VOOの方が良かったです。
 基本高配当の銘柄は、業績面で絶好調、ではない銘柄が多いと認識しています。配当を高く設定するのは、それにより株価を下支えする目的があるはずだからです。といっても米国株全体が好調なので僕が購入してからもプラスに推移しています。
 配当も多くてパフォーマンスもよければこれだけ持ってればいいということになるので、VYMとVOOとの比較を通じて、なんか上手いことできてるなぁと、そう感じました。

世界中の企業に投資するETF(VT/ACWI)

 これらは米国だけでなく、欧州やアジア含め世界中の企業に分散投資するという商品です。世界経済全体が右肩上がりであれば、今後も上がり続けるでしょう。ただ、世界経済の中心が米国である以上、これらに投資するよりも、VTIやVOOといった米国に特化したETFの方がよいように思います。実際パフォーマンスもVTIの方が上です。VTは比較のために少し保有しようと思ったのですが、買い忘れました。。
 信託報酬はVTで0.11%(少し下がった?)、配当2%くらいです。信託報酬がVTIの倍以上というのもあって、これを買うならVTIでいいかなと思ってしまいます。

新興国に投資するETF(VWO/EEM)

 これらは主に新興国の企業へ投資することを目的としたETFです。新興国は人口が増加している国々なので、伸び代があると思っています。ただ、政治不安とか紛争とか、通貨の価値が大きく変動したりとか、新興国系ETFはちょっとギャンブル要素が高いように思います。僕はVWOも少額購入していますが、この1年、マイナスになったりVTIを追い越したりと荒い値動きをした印象です(といっても、日本株の急騰急落に比べたらかわいいもんです)。個人的には期待している銘柄ですが、これ以上買い増すかは慎重に考えたいと思います。信託報酬は0.14%で、VTよりもさらに少し高いです。配当は買った当時は2%ちょっとだと思ってましたが今調べたら4.8%になっていて、かなり変動するみたいです。

まとめ

 今日は僕が米国ETFを購入するにあたって整理した内容について書きました。
 僕は現在VTI、VOO、VYM、VWOを保有しています(実はその他にも興味本意で少額買ってみたものもありますが)。まだ米国株投資をはじめて1年に満たないですが、長期で資産運用するならば日本の株やETFを買うよりもずっと期待値が高いように感じています。

 とはいえ米国株のこの1年の上がり方は異常な感じもしますので、今から米国株投資を始めようと考えられている方は、ドルへの転換も含めて例えば月1回、数年かけてというような投資方がいいと思います。何事も焦ってはいけません(自分へ言い聞かせてる)。