投資はギャンブルか

投資はギャンブルか。
議論に終わりを見ない問答です。僕の意見を結論から言いますと、このブログのタイトルからも分るとおり、投資はギャンブル、派です。

一般には投資はギャンブルではないという意見の方が多いように感じます。特にギャンブルをしたことが無い方はその論調が強いと思います。これは僕が投資の素人だからとか、パチンコが好きとか、そういうことは関係なく、10年後も投資はギャンブルだという意見は変わりません。今日はそれに至る考えを書こうと思います。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

そもそもなぜ投資がギャンブルか否かで意見が別れるかというと、投資とギャンブルの定義がそれを語る人それぞれで異なるためです。なので、投資がギャンブルか否かを考える場合は、その前提として、その人の考えるギャンブルおよび投資の定義を明らかにする必要があります。前提が違うと議論が捻れるからです。

ギャンブルの定義

まずギャンブルの定義ですが、Wikipediaによると、
・金銭や品物などを賭けて勝負を争う遊戯のことである。 金銭や品物などの財物を賭けて、(偶然性の要素が含まれる)勝負を行い、その勝負の結果によって、負けた方は賭けた財物を失い、勝った方は(なんらかの取り決めに基づいて)財物を得る、と言う仕組みの遊戯(ゲーム)の総称である。
ギャンブルの定義については、僕もこれに異論はありません。

投資の定義

一方で投資の定義ですが、こちらもwikipediaによると、
・主に経済において、将来的に資本(生産能力)を増加させるために、現在の資本を投じる活動を指す(現代において、生産能力の増加しない商業活動はこれに含まない)。広義では、自己研鑽や人間関係においても使われる。
高尚すぎてよく分りません。投資家個人の目線で言い換えた僕の定義は以下とします。
・株や投資信託などの投資商品を保有し、将来再度現金化するため売却(解約)する際に、投資した時の金額よりも増加していることを目的に、現在の資産を運用すること。
とします。

投資とギャンブルが同じと考える理由

結局お金を増やすことを目的に、偶然性の要素が含まれるものに現在の資金を賭ける、という点が同じということです。
偶然性の要素とは、分らない、不確かなものという意味で捉えます。投資商品の値動きには理由がありますが、どれも後付けであり、将来については不確かなので偶然性の要素と言えます。

時間軸やリスクなどに触れずに投資とギャンブルを同じとするには少しずるい理屈だと自分でも思いますが、多くの人にとって投資の目的は、自分のお金が増えるか増えないか、それだけであり、そのために自分の今ある大切な資産を何かに賭ける、リターンを得るためにリスクを取っているんだ、という当たり前なことを、まずは認識した方がよいと思うためこのように解釈しました。
投資を勧める立場からすると、賭け事にマイナスイメージを持つ日本人には耳障りの悪い説明となるため、安全な資産運用方法とか、時には株を持つことは社会貢献に繋がるとかの説明をします。否定しませんが、投資商品を購入する際は、何に賭けているものかを自分で理解することが重要です。人に勧められるがままに投資をすると、思わぬリスクを取っていた、ということもよくあります。

この捉え方を念頭に置いた上で、投資とギャンブルの特徴の違いを見ていきたいと思います。

1.賭ける対象の違い

ギャンブルは長期的に見ればまず負けます。店側(胴元)が儲かる=客が負けるように作られているからです。客が勝ち続けたら店は潰れます。勝つ確率が50%以下であることが分かっていることをギャンブルの定義とする人もいると思います。一方で、株はゼロサムゲームであり株価が上がっている状況ならば皆が勝つということもある、との説明もよくみかけます。市場にも胴元はいるような気がしていますが、それは置いておいて、この説明には基本的には同意します。
ただ、上記は全体として、ということで、個別に見れば例えばボーダーラインを上回るパチンコ台は、理論的には100%を越えるため、50%以上で勝つことができますし、市場全体が下向いている時(リーマンショックをはじめ⚪︎⚪︎ショックなど)はゼロサムであっても皆揃ってボロ負けとなります。

ギャンブルと投資の違いは機械的な確率に賭けているか、相場という正体の分らないものに賭けているか、の違いです(競馬と競輪、競艇は機械じゃないですが)。

どちらも先のことは分かりません。相場は経済状況を反映しますので、ある程度見通しを立てることができるという人もいますが、トランプ相場という株価の急上昇を多くの人が予想できませんでした。むしろ有識者と呼ばれる人たちの間では逆の予想をしていました。

将来を確実に見通すことができないものに賭けているという点において、やはり投資とギャンブルは同じです。

ギャンブルは長期的には客が負ける構造になっているのに対し、投資は分らない、という違いがある点は否定しませんが、僕を含めほとんどの個人投資家と呼ばれる人たちが短期間の売買で勝った負けたと、ギャンブル的な思考に陥っているような気がします。国内の株取引のうち、6割以上が信用取引であるという事実が物語っています。

リスクコントロールの方法

パチンコで言うと、甘デジやミドル、MAX機といって、台によって当たりやすさが違います。当然当たりにくい台程当たった時の期待値が高いです。また、1パチなどのように、レートによってリスクとリターンをコントロールすることができます。
投資で言うと、投資信託や個別株、新興国債券など、商品の種類によってリスクとリターンをコントロールします。この辺りはギャンブル場の種類に書いています。ギャンブルしない人には意味不明かもしれませんが。。。

僕らギャンブラーはパチンコ台の特性を理解した上で、波の荒さを覚悟して席に着きます。投資も同様に、どういった投資商品がどのようなリスクをとってリターンを目指しているかは理解して投資すべきです。

まとめ

ギャンブルと投資を、何かに賭ける、という点で同じとしたロジックは同意を得難いものと自分でも思いますが、言いたかったのは、本人が意識しているかいないかに関わらず、投資をするということは何かに賭けているということで、それが何に賭けているかを認識しておくべきだということです。
例えば、日経平均インデックスの投資信託を購入するということは、日本経済の発展に賭ける、ということです。他の商品もしかりで、自分が本質的に何に賭けているかを考えるということは重要です。

一方で、投資をギャンブルだと敬遠して、預金だけをしている方も、一見リスクをとっていないように見えて、円という価値にフルベットしているということは認識しておいた方がよいと思います。

そのように捉えると、投資はリスク回避の意味も持ちます。円というのは絶対的な経済価値を持つものではなく、相対的には価値が変動しています。例えばインフレになれば現金預金の価値は相対的に下がりますし、上手くいってないですが、国を挙げてその方向に持って行こうとしています。逆にギリシャのように国が崩壊するような危機に陥れば、極端ですが1万円札が紙くずになりかねません。

円の価値がまだ強い今だからこそ、円以外への分散投資という選択も考えてはどうかと思います。

ギャンブル好きの僕が言うのもなんですが、リスク回避の観点でも投資と向き合うべきだと思います。リスクを取りたくない人は投資信託による分散投資がおすすめです。モーニングスターさんを活用した僕のおすすめの投資方を投資信託の選び方に書いています。