ギャンブルは分るけど投資はピンとこないという人向けに投資信託の説明と、僕が注意した方がよいと思う投資信託についてまとめたいと思います。
多くの方が投資を始める際にまず考えるのが、株を買うのか、投資信託を買うのかという選択です。
個別株は説明するまでもなく、市場に上場する会社の株を買い、その株価が上昇した時に売却することによって得られる利益(キャピタルゲイン)と、株主優待や配当金(インカムゲイン)を得ることを目的としています。非常にシンプルで分かり易いですが、変動が激しく株価が下落した時に売却せざるを得ず損をすることも多々あります。
これに対し投資信託は比較的値動きが小さく、安定した資産運用をしたい人はこちらを選ぶ場合が多いです。
目次
投資信託とはパチプロ達による代打ち、乗り打ちのようなもの
投資信託は僕たち個人投資家のお金を集めてある程度まとまった額を運用するというもので、言わばパチプロ達による代打ちみたいなものです。
そしてそのパチプロ達は、例えば日本株式を対象とした投資信託ならばトヨタやソフトバンクやキリンビールなど、いろんな台に乗り打ちをして皆で取り分を山分けします。
もちろんマイナスでもです。
これは大勝ちも大負けも薄まるためリスク分散という効果があります。
また、当然勝とうが負けようが代打ちをお願いするのには手数料がかかります。この手数料が信託報酬と呼ばれるものです。
年0.2%から3%くらいするものまであります。信託報酬が安いものを選ぶというのは一番重要なポイントです。
投資信託には、国内の株式市場を専門にするものから、海外の不動産を専門にするものもあれば、これらをパッケージにしたものなど多岐にわたり、投資信託協会によると現在は約1万種類以上もの投資信託が発売されているそうです。
なんでそんなに種類がいるの?と思うほど、毎日のように新商品が出てきて、当然中にはタチが悪くプロと呼ぶに相応しくない投資信託もたくさんあります。
投資信託を購入するにあたって一番重要なのは、このタチの悪いプロにお金を預けないことです。
まずは投資信託のメリットデメリットを整理したいと思います。
投資信託のメリット
まずは投資信託のメリットです。
銘柄の分散によるリスク低減が図れる
上で書いたとおり投資家の資金を集約して運用するため、個人ではできない分散投資ができます。個別株の場合、保有している銘柄の株価が上昇した場合はその恩恵を最大限受けられますが、逆に損失が出た時に資産を大きく毀損することになります。
それぞれの投資信託がどのような銘柄に分散投資しているかは、各商品の目論見書に書いてあり、例えばトヨタに10%、ソフトバンクに5%などとあります。
投資信託といっても大半はなにも特殊なことをしている訳ではなく、投資信託のテーマにそって株を買っているだけです。何も難しく考えることはありません。
債券や海外株式など個人で買えないものが買える
投資信託には個人では買えないものを取り扱った商品があります。例えば新興国の債券などがあげられます。
また、米国株を自分で買うのにはそれ相応の手間が必要となるため、代替として投資信託を選択するということができます。
このように個人で投資するにはハードルが高い市場への投資を可能とします。これにより、投資する市場を国内、海外、株式、債券と分散させることができるメリットがあります。
少額から積立てができる
毎月数千円とかの積立てができます。これは普段仕事が忙しく投資なんて考えてる暇がない方、ついついお金はあるだけ使っちゃうって方にとてもいいシステムです。
投資信託のデメリット
続いて投資信託のデメリットです。
手数料がかかる
個別株を購入する場合は、証券会社の手数料(数百円くらい)しか発生しませんが、投資信託には購入時の申し込み手数料、毎年かかる信託報酬や解約手数料といった各種手数料がかかります。
購入時の申し込み手数料無料(ノーロード)と呼ばれる商品が一般化されてきましたので、必ずノーロードのものを選ぶようにしましょう。
そして一番気にすべきは信託報酬です。
これが例えば1%なら、100万円分の投資信託を購入した場合、運用益が出ていようがいまいが、毎年1万くらいが手数料としてもっていかれます。
この信託報酬は商品によって0.2%から3%近いものまであり、投資信託を選択する上で最も重視すべき項目と思います。
数が多すぎて選べない
投資信託は無数にあります。そのうちネット証券で買えるものだけでも1,000から2,000種類あります。多い証券会社で2000種類くらい、少ないところでも1000近くあります。
—2018年5月関連記事追加——
僕なら投資信託をこう買います。参考にしてみて下さい。
・もし僕が500万円を投資信託だけで資産運用するなら
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次に僕の考える買ってはいけない投資信託です。タチの悪いプロの種類として3つ挙げます。
おすすめしない投資信託
高利回りを謳う毎月(隔月)分配型の投資信託
これは巷で大人気の商品のようです。
他の商品では考えられない位の分配金を毎月出すことで、年金代わりの資産運用ができますというのが売り文句のようですが、これから購入を検討される方は、ちょっと待って下さい。どういう商品か理解してますか。
もし答えがNoなら再検討されることをお勧めします。
僕は直感で怪しすぎると感じたので買ってませんが、毎月分配型のファンドの中には利回り30%というものもあるそうです。
100万預けたら、毎年30万貰えて、3年後にはほぼ元本回収してさらにずっと毎年30万貰い続けられるすごくお得な商品だ!
、と勘違いしてしまう人もいると思います。
そんな美味しい話は、絶対に、ありません!
投資信託を購入する際は、自分が何に賭けているのかを自身で理解できるものを買うというのが鉄則です。
—2018年5月関連記事追加——
毎月分配型投資信託について考えてみました。
・複雑な毎月分配型の投資信託について考えてみた
・毎月分配型の投資信託をおすすめしない理由
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ただ、今のところ、プラスリターンの投資信託もあるようなので、納得して購入されているのであれば、それはそれでいいと思いますが、個人的には一刻も早く解約されることをおすすめします。
ファンドラップ
ファンドラップとは、お金そのものを預けて、後の運用は全部お任せします、というものです。
手数料がバカ高いです。なんだかんだで年間3%くらいかかると言われています。
ファンドが3%以上の運用益を出さないと、投資者はマイナスになります。
投資なんかに頭を使う時間がもったいないという富裕層の方にはいいんじゃないでしょうか。
逆に、そうじゃない人が使うべきサービスとは思えません。
(大半の)アクティブファンド
投資信託にはアクティブファンドとパッシブファンドと呼ばれるものがあります。
アクティブファンドは投資銘柄を頻繁に入れ替えたりしながらリターンを追求した運用をします。
一方でパッシブファンドはその目印に「インデックス」という言葉が使われていることが多く、何かの指標に追従しようと運用されるものです。
具体的には国内株式のパッシブファンドで、日経インデックスとあれば、日経平均とほぼ同じ値動きを目指します。
これに対しアクティブファンドは日経平均の値動きより大きく利益を得ようとしたものです。
名称にアクティブファンドと書いてある訳ではないので、ぱっと見でアクティブファンドかどうか分からないものが多いですが、僕の見極めの材料として、信託報酬が0.5%を越えるものはアクティブファンドと考えています。
逆に0.5%を越える信託報酬でインデックスファンドですと言っているようであれば、他のを選びましょう。
問題なのは、リターンを追求しているはずのアクティブファンドの多くが、インデックスファンドよりリターンをあげれていないという事実です。アクティブファンドの方が手数料が高いのにです。
まとめ
投資信託は資産運用に非常に有効な商品だと思います。
ただし、販売会社としては手数料の高い商品を売りたがりますし、たいがいそれがリスクが高い商品だったりしますので、これから投資信託の購入や積立てを考えられている方は十分注意しましょう。