心構え

ここでは僕が投資を始めた頃を振り返ってみて、投資を行っていく上で必要だなと思った心構えを3つだけ記載します。

1.いつ換金するかを決めておく

当たり前ですが、投資をするということは、株にしろ投資信託にしろ、現金(日本円)でなくなるということを意味します。

日本にいる以上、物を買うのもサービスを受けるのにも基本は円で支払いしますので、投資を始めると同時にその止め時(現金化)を考えておくことは重要です。

投資はその開始時の投資資金より止めた時の現金が増えていることを目的としていますので、その意味では、ギャンブルと同じだと思います。

パチンコ屋さんのように打ち止めで〜すというこはありませんので、止め時は自分で決めるしかありません。止め時を考えるということは、どういう資金をどういうスパンで扱っていくか、すなわち投資方針を考える第一ステップです。
これは、人それぞれ自分が投資に回すお金の質によって異なってきます。老後に向けた資産運用の人もいれば、例えばお子さんが大学入学する10年後には一度現金化が必要という人もいるでしょうし、(当時の僕のように)「1秒でも早く」、「1円でも多く」資産が増えていく様子をニヤニヤしながら見守りたいという人もいるかと思います。この投資方針によってそれぞれ適した投資対象が変わってきます。

しょっぱなから何でこんな話をしたかというと、ブログでも触れますが(2017/5/7時点まだ追いついていません)
 ・日本株はお守りのように後生大事に握るようなものじゃない。
 ・「数年以上」手をつけずにいられる余力資産であれば、米国株に投資した方がよさそうだ。
と考えるに至ったからです(特に後者に影響大です)。
上記はあくまで僕の考えですが、いずれにせよ止め時を意識しておくというのは、頭の片隅においておくことをお勧めします。

2.ちょっと大きな視点で何に賭けるかを認識しておく

投資をするということは何かに「賭ける」ということです。
投資はどの商品を購入しようとも、元本割れのリスクを伴います。これはやはり怖いことです。
これに対し現金預金のメリットは何と言っても、資産が目減りしないということです。

ただし、日本はマイナス金利の導入などにより、国を上げて物価の上昇(インフレ)を起こそうとしています。現時点ではこれも政府の思惑とおりに働いてはいませんが、物価上昇は即ち現金預金の価値が低下することと同意です。

単純に、今まで100円で買えていたものが200円の世の中になったら、現金預金の価値は半分になります。現状の日本は、デフレから脱却したとはとても言えず、個人の実感としては缶コーヒーが100円じゃなくなった時と、最近ではガリガリ君が値上げした時くらいしか目に見えた物価上昇を感じたことはありません。

しかし、リスクを取っていないつもりの預金派の方々であっても、実は「円」という価値にフルベットしている、ということは認識しておいた方がいいのではないでしょうか。

一方、アメリカではここ20年毎年2%くらいのインフレが継続しており、物価も上昇し続けています。これに対し日本の物価は上記のとおり大きな変化はありません。
よく円高とか円安とか言われる為替相場自体は、過去を見てもいったりきたりという感じではありますが、相対的に日本円の価値は下がってきているということなんじゃないかなと思います。外国人観光客が増え続けているという事実も、日本の魅力が外国に伝わったということ以上に、外国から見て日本が旅行するのに割安になってきているということだと思えば納得がいきます。

僕には経済の難しいことは分りませんが、通貨の価値がその国そのものの強さの指標の一つであると考えた時、少子高齢化が進む日本が、GDP世界1位でありながら労働人口が増加し続けているアメリカよりも、国家として、強く成長し続けるとは考え難い(日本人としては残念ですが)ということから、日本円の価値を信じ続けること、また日本だけを投資対象とするのはリスクが高いと感じ、国内投資に加えアメリカも投資対象に含めようと考えました。

僕は、アメリカの経済成長>日本の経済成長に賭けるということです。

とはいえ、2020年の東京オリンピックなど、国内にも明るいニュースもありますし、アメリカはトランプ大統領というリスク(というか、トランプが大統領になったということが暗示する、日本からでは見えないアメリカ経済の実態)もありますので、僕は、現金預金・国内投資・米国投資、の3本に分散して投資運用をしていきたいと考えます。

これはあくまで僕の場合ですが、投資をするということは、意識しているにしろいないにしろ、何かに賭けているということで、それが何という商品を買ったか以上に、本質的な部分で何に賭けているかということを意識しておくことは大切なことだと思います。

3.人のせいにしない

最終的に投資対象を決めて、自分の資産を使って投資を実行するのは僕たち自身です。損が出てもだれも責任を取ってくれません。
なぜこんな当たり前なことを言うかというと、僕たちは、投資や資産運用において誰かの意見に耳を傾け、少なからずその影響を確実に受け、損が出ると、だって株価は上がるだろうって言ったじゃーん、⚪︎⚪︎の嘘つき!と人のせいにしたがるからです。僕も最初数ヶ月そうでした。
そもそも相場の未来を確実に見通せる人はいません。よくニュースとかで見かける経済評論家にしろ投資会社のアドバイザにしろ、扱っている分野が一般の人が馴染みが薄いだけで、パチンコ雑誌記者や競馬予想師と同じです。パチンコ雑誌記者や競馬予想師の方を馬鹿にしている訳ではなくて、競馬をする人なら、予想師の予想を参考にしつつ自分なりの推測を加え、結果はともあれ、納得して馬券を購入しているはずです。パチンコもスペックを読んで波の荒さを覚悟して席につきます。同じように経済とか投資というとっつきにくい分野というだけで、誰かのいいなりのような投資をするのはよくありません。投資をすぐに諦めて止めてしまう人はこのパターンの人だと思います。トラ柄の熱さを知ってパチンコを打つのと何も知らずに打つのでは面白さが違います。投資も自分で考えて楽しみながらやって行くのがいいと思います。

こう考えるに至った背景として印象的だったのは、アメリカの大統領選挙です。ご存知の通り、トランプが大統領になった訳ですが、その開票寸前まで、どこのニュースでもネットでも、専門家と言われる方々は、ヒラリー当選で間違いない。万が一トランプになった場合、円高・株安が急速に進むだろうという意味あいのことを皆そろって言ってました。
結果はものの見事に真逆。トランプが大統領になり、米国ではトランプラリーと呼ばれる過去に例をみない株価の上昇が起こり、追従するように日本の株価も上昇し、円安も進みました。大統領選後数日は焦ってネットにアップした自分の汚点となる記事を消しまくっていたのでしょうか、最初にこの件に触れたら負け、みたいに経済系のネットニュースが一瞬静かになった印象を記憶しています。この時の僕の素直な感想は、

あー、こいつら普段偉そうなこと言ってる割にはこの程度なんだ、世界中が注目していて情報も十分にあるはずなのに、1/2も当てられないんだ。ふふっ。

と、それまで自分が詳しくない分野であることに対する引け目を無くすきっかけいなるとともに、正解は分らなくても自分で考えるということに前向きになれました。

ただ、専門家の見解には結果はどうあれ、思考過程に相応のロジックがあります。これらを過度に信用することも疑うこともせず、あくまで材料として情報に接していくことが大事と思います。
もちろんこのブログもそうです。誰の責任もとりません!