2018年第一四半期決算間近!20万円以下で買える売上拡大予想かつ低PERの割安銘柄をスクリーニングで探してみた

 2018年も折り返し、7月末から企業の第1四半期決算が本格化します。決算時期は業績に対する思惑で個人投資家が活発に動き、株価が動意付くことが多いです。今日は特に業績拡大が期待できる割安銘柄でかつ20万以下で購入できる株をスクリーニングで探してみました。

 僕は大型の割安銘柄を好んで買う習性があります。割安とは言い換えるとPERが低い銘柄です。PERは株価を1株あたり純利益(EPS)で割って算出される数値であり、業種によって異なりますが、日本企業の平均はだいたい15倍程度と言われています。
 割安株投資は比較的有名な手法ですが、その企業の将来性に懸念がある場合は割安なまま放置されたる傾向にあり、例えば低金利政策に苦しむ銀行のほとんどのPER10倍以下です。割安銘柄の株価が上がると分かっていればこんな簡単なことはないのですが、そううまくはいきません。
 ですので今日は売上の拡大=成長が期待できる銘柄をネット証券のスクリーニング機能を使って探してみました。

スクリーニング条件の設定


低PERの割安株というだけでは無数の銘柄が出てくるため、僕の使っているマネックス証券のスクリーニング機能で以下の5つを設定しました。

PER予想値=10倍以下

 まずは割安指標としてPER10倍以下を設定します。これだけだとまだ1000近い銘柄が残ります。なお、今年度の業績に対して割安銘柄を探していくため、PERは実績ではなく2018年度の予想値を使っています。

自己資本利益率(ROE)=10%以上

 ROEは収益性を示す指標で、一般的に10%以上が優秀だとされています。収益性の高い企業に絞りました。

売上高=500億円以上

 この数字に特に根拠はないですが、これくらいに設定しないと候補が多すぎて絞れませんでした。また、あまりに売上が小さい会社だと数値自体の振れ幅が大きそうで怖いというのもあります。

売上高の前期比比率=1%以上

 売上高が前の年より拡大していることを条件としました。銀行などはこれで除外されます。

上場する取引所=東証1部

 個人投資家はマザーズなどの中小型株を好むと言われていて、日本の株式市場の状況を考えると一理あるなと思っていますが、正直何やってるか分からない会社が多く、また、中小型株の株価は下図のように市場に弄ばれることもよくあるため、僕は今の所敬遠しています。こんな相場にはついていけません。

20万以下で買える売上拡大の低PER銘柄

 上のスクリーニングの結果、102の銘柄がヒットしました。この中から20万以下で買える銘柄を、ある程度業種も網羅性を持たせるようにしつつ30銘柄に絞ってリスト化したものを示します。上の図のように市場に弄ばれているような銘柄は条件が合致していてもあげていません。なお、僕も知らない会社がほとんどだったので、各銘柄の下に僕の調べたメモ書き程度のことを書いてますので銘柄選びの参考にして頂ければと思います。

社名、コード 業種 現在の株価
(円)
PER
(倍)
ROE 売上伸び
(%)
予想売上高
(億円)
安藤ハザマ
1719
建設業
1,032 9.87 22% 6.9% 4,030
ダム・トンネルなどの大型工事に強み
東急建設
1720
1,098 8.49 22% 4.8% 3,360
渋谷駅前開発を担当
大林組
1802
1,129 8.27 15% 3.7% 19,700
いわずとしれた4大ゼネコンの一角
長谷工
1808
1,475 5.85 27% 8.2% 8,800
マンション建築の最大手
積水ハウス
1928
1,904 9.66 12% 1.2% 21,850
住宅大手。配当も良い
ユニチカ
3103
繊維製品
612 5.04 21% 2.4% 1,315
ナイロンフィルムなどに強みの素材メーカー
帝人
3401
2,029 8.54 13% 5.4% 8,800
だけじゃない、TEIJINでおなじみ。炭素繊維強い。
ユニゾHD
3258
不動産業
2,073 6.22 10% 15.9% 608
ユニゾホテル有名。インバウンド需要期待
フージャース
3284
794 8.82 14% 38.9% 880
マンション販売などの不動産運営
タカラレーベン
8897
411 7.06 19% 17.3% 1,300
マンション開発。太陽光発電も
トーセイ
8923
1,069 7.73 14% 17.5% 678
THE・パームスシリーズの不動産運営
宮地エンジ
3431
金属製品
1,981 9.63 10% 6.1% 500
三菱重工と橋梁事業で業務提携
LIXILビバ
3564
小売業
1,700 4.11 13% 2.7% 1,828
LIXILグループ。TOSTEM系。
東ソー
4042
化学
1,686 7.2 20% 3.3% 8,500
日経225銘柄。塩ビの需要拡大
三菱ケミHD
4188
931 7.28 18% 5.5% 39,300
日経225銘柄。総合化学首位
大日塗料
4611
1,341 9.22 12% 1.2% 750
三菱系の国内塗料大手
JXTG
5020
石油石炭
767 8.45 15% 3.9% 107,000
日経225銘柄。出光と並ぶ国内石油元請け最大手
住友ゴム
5110
ゴム製品
1,730 9.4 11% 3.7% 9,100
ダンロップで有名なタイヤ2位。一位はブリヂストン
東海カーボ
5301
ガラス・
土石製品
2,144 6.66 10% 92.0% 2,040
炭素製品大手。炭素製品業界の需要拡大しまくり
新日本電工
5563
鉄鋼
309 9.05 12% 10.7% 790
合金鉄の大手。貿易摩擦影響心配
大紀アルミ
5702
非鉄金属
662 5.72 16% 14.9% 2,133
アルミ合金の大手
日軽金HD
5703
241 7.46 11% 5.9% 5,100
日経225銘柄。大手アルミ総合メーカー
ジーテクト
5970
金属製品
1,852 6.97 10% 11.4% 2,450
車体部品の専門メーカー。ホンダ系
東製綱
5981
1,662 9.24 10% 11.8% 710
ワイヤロープの最大手
DMG森精機
6141
機械
1,584 9.58 15% 4.7% 4,500
欧州最大手の独ギルデマイスター社と資本業務提携
日新電
6641
電気機器
970 8.64 12% 2.4% 1,300
住友電工の子会社。コンデンサに強み
ホシデン
6804
898 7.12 13% 3.5% 3,100
電子部品メーカー。コネクタやスイッチ
兼松
8020
卸売業
1,551 7.92 15% 6.3% 7,600
老舗の総合商社。資源系には手を出さない方針
山善
8051
1,079 9.72 13% 3.4% 5,150
生産材・消費材系の専門商社
東電力HD
9501
電気・
ガス業
509 3.24 13% 4.2% 60,990
原子力発電再稼働にやっき。

割安銘柄を整理してみて思ったこと

 建設業は業界そのものが低PERなのでかなりヒットしました。大林組なんて大企業も10万くらいで買えるんですね。オリンピック需要もあり、ROEも良いので、なぜ万年低PERの筆頭業界なのか疑問です。不動産もたくさん出てきましたが、僕は不動産系はパスです。うさんくさいから。インバウンドのホテル業種には注目してます。
 また、繊維と化学が最近売られ過ぎている気がして、帝人や東ソーといった銘柄は見直されても良さそうに思います。僕が買うならここですね
また、東海カーボンに代表されるガラス・土石業種は売上拡大著しいです。炭素製品需要が拡大しています。ここも気になるがタイミング逸した感あり。
 あとは東電どうなるんかな〜、というのが僕の所感です。もうひとつ、大手総合商社がひっかかると思いましたが、出てきませんでしたね。

まとめ

 今日は2018年の第1四半期決算を迎えるにあたり、業績拡大かつ低PERの銘柄かつ5万〜20万程度で買える銘柄を調べてみた結果をお伝えしました。あなたの買いたいと思う銘柄はあったでしょうか。投資に興味はあるけどちょっと怖いという方はこのような比較的安く購入できる銘柄から入るのも良いかと思います。
 なお、割安株投資は有効の手法のひとつだと思いますが、これを過信するのは禁物です。PERが低いということは売られているということでもあり、今日示した多くも直近下げているものが多く、いわゆる逆張りの手法だということも忘れないで下さい。
 投資は自己責任でお願いします。